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EUの知識 日経文庫
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EUの知識 日経文庫

藤井良広【著】

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EUの知識 日経文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 日本経済新聞出版社
発売年月日 2013/10/28
JAN 9784532112905

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2017/05/20
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※このレビューにはネタバレを含みます

今日の書評は「EUの知識」藤井良弘著。ギリシャ問題で今何かと噂になっているEUについての広範的な知識を教授してくれる書籍である。 最初に「ヨーロッパ」の呼び名は、ギリシャ神話に出てくる、フェニキアの王アゲノ-ルの娘オイロペに由来するそうだ。オイロペの美しさに一目ぼれしたゼウスがオイロペを誘拐し、クレタ島に連れ去るのだが、その際欧州各地を駆け回ったことから、それらの地域がオイロペ=ヨーロッパになったとのこと。 まず、著者はEUの理念は、「EUの政治的寛容さ」であるとする。欧州人はドイツへの憎悪よりも、政治的寛容さを発揮して「ドイツを欧州に取り込む」ことを優先し、ドイツを欧州復興の柱に位置づけたとする。 そして著者は欧州債務危機がこれほど激化したのは2つの理由があるという。1つは、拡大と深化の統合市場に、自国の社会・経済をうまく適応しきれなかった国々が、従来型の一国ベースの財政政策でで自ら調節を図ったものの、リスクの方が大きく克服できなかった点。もう1つはEUとしての危機対応の公共財機能が整っていなかったため、影響が伝染病のように各国に広まり、EUの屋台骨が揺らぐ事態に陥ったという点だそうです。 しかしユーロ導入にはメリットも大きかったのです。ユーロ導入により、 1、価格の透明化 2、通貨の安定と低インフレ 3、利子率の低下 4、為替手数料の削減 5、金融市場の統合促進 6、経済パフォーマンスの向上 7、財政収支の改善 8、国際的な基軸通貨としてのユーロの確立 9、国境を越えた貿易の促進 10、欧州の象徴としてのユーロの誕生(多様性の中での統一) などのメリットがあるという。 実際ユーロはEU域内だけでなく、グローバル取引でドルと代替可能な「第二の基軸通貨」として扱われ、現在世界の外為取引の約2割のシェアを占めているとのことです。(ドルは4割強、円は1割弱) そのような多様なメリットがある、ユーロ導入について厳しい要件がある。インフレ率、財政赤字、為替変動、長期金利などで審査されるようだ。また導入後の参加国についても財政規律(SGP)の義務を負うそうだ。 このようなEUの金融政策を一手に担うのがECB(欧州中央銀行)。そんなECBが金融危機の時、実施したのが、公開市場操作でのオペの弾力化。通常金融機関から買い入れる国債等の適格担保基準を通常AマイナスからBBBマイナスまで下げたとのことです。 そんな数あるECBの緊急策のうちでも、もっとも効果があったとされるのが、12年9月の「国債買い入れ計画(OMT)」だったそう。従来のオペとは違ってOMTは、ECBが国債流通市場から満期1~3年の国債を買いきるものです。 OMT発表時、ECBドラギ総裁は「ユーロを守るなら何でもする。信じて欲しい」と発言しました。この発言は、ご存知の通り”ドラギ・マジック”として市場に好感されたそう。「いざとなればECBが対応する」との信頼感からか、13年10月時点でOMTの発動はありません。ユーロの相場も、欧州の金融市場も、一応の落ち着きが続いています。 書評はこの辺で終わり。ユーロを中心に書いてきましたが、本著はEU全般について広範的に詳述されています。このブログを見て興味を持たれた方、是非購読してください。

Posted by ブクログ

2016/07/17

Brexitの大混乱。ここでEUの理念・歴史・課題を知るために読む。多くの改版から教科書としての立ち位置が定まっている本か。この版はギリシャ危機直後のものなのでユーロの課題と財政規律を中心にしている。次の改版は当然Brexitの背景、人の移動の自由・EUの理念vs.加盟国の自治に...

Brexitの大混乱。ここでEUの理念・歴史・課題を知るために読む。多くの改版から教科書としての立ち位置が定まっている本か。この版はギリシャ危機直後のものなのでユーロの課題と財政規律を中心にしている。次の改版は当然Brexitの背景、人の移動の自由・EUの理念vs.加盟国の自治に絞られるだろう。次を待ちたい。

Posted by ブクログ

2014/11/19

EUの現状について学ぶことができました。組織やその下の機関が述べられています。 そこまで詳しくまとめられていなくても良かったかもしれません。 EUについて初めて知る人には問題ないと思います。

Posted by ブクログ

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