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蒋介石の密使 辻政信 祥伝社新書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 祥伝社 |
発売年月日 | 2013/11/02 |
JAN | 9784396113445 |
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蒋介石の密使 辻政信
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商品レビュー
3.3
4件のお客様レビュー
「悪魔の参謀」辻政信といえば、この人が戦犯指定を免れたことが東京裁判がいかに適当であったかを如実に表しているというぐらい。その後ベストセラー作家になり、長く国会議員まで務めるほどの国民的人気を誇ったというが、この人がノモンハンやシンガポール、ガダルカナルなどでしたことは、2〜3回...
「悪魔の参謀」辻政信といえば、この人が戦犯指定を免れたことが東京裁判がいかに適当であったかを如実に表しているというぐらい。その後ベストセラー作家になり、長く国会議員まで務めるほどの国民的人気を誇ったというが、この人がノモンハンやシンガポール、ガダルカナルなどでしたことは、2〜3回死刑になったぐらいでは足りないほどの非道である。 とは言いつつも、辻について掘り下げた本はそんなに多くないので読んでみた。本書は辻の足跡を追いつつ、実は蒋介石と言う魔物について描こうとしたのではないか。「悲情城市」などを観て来た僕らの世代は、今更「以徳報怨」とか「蒋介石が日本の恩人」などという馬鹿げたことを信じる人はいないと思ったが、本書のあとがきを読んでかつてはマジメにそう伝えてたと知りビックリでもある。 僕にとってはだいたい考えていた通りのことを裏付けてもらった気分だけど、ええっ?て思う人も多いかな。好きなら読んで面白いと思います。ただ、反吐の出るような人物が主人公で、それを取り巻く他の反吐が出るような人物との謀略の繰り返しなので、読んでて疲れる…。1日に読み進める範囲も限界が来ちゃって、以外に時間かかってしもた。
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辻政信は、戦後イギリスから戦犯として追いかけられていたのに、解除されるまで逃げ延び、『潜行三千里』なる本を書いてベストセラーになった。その結果かれは人気者になり、国会議員に3期も当選した。しかし、やがて、戦時中の行いが明るみになるにつれ、その悪行が問題にされるようになった。たと...
辻政信は、戦後イギリスから戦犯として追いかけられていたのに、解除されるまで逃げ延び、『潜行三千里』なる本を書いてベストセラーになった。その結果かれは人気者になり、国会議員に3期も当選した。しかし、やがて、戦時中の行いが明るみになるにつれ、その悪行が問題にされるようになった。たとえば、ノモンハン事変で捕虜になった将校兵士が帰還したときは自決を命じたとか、シンガポール陥落の際は、華僑を大量虐殺したとか、ビルマ戦線では,捕虜になったアメリカ兵(イギリス兵ではない)の射殺を命じたとか(これはデマであったが)、ガダルカナルでは補給線がないことから撤退を唱える将校たちを押し切り、徹底抗戦させた結果、多くの餓死者を出したとか。挙げ出すときりがないくらい悪行の限りをつくしている。こんな人間がのち国会議員にまでなったのだから、戦後の混乱のすさまじさがわかるというものである。ここまではこれまでもよく知られたことであった。ところが、CIA文書が公開されたことから、戦後辻が蒋介石のスパイとして日本へ渡り諜報活動をしていてことがわかってきた。(これは有馬哲夫の発見)戦後蒋介石が日本に対し「恩を以て恨みに報いる」という政策をとったことで、日本人は蒋介石の懐の深さに感激したが、これは実は蒋介石の巧妙な手口で、それは、蒋介石が日本を取り込もうとしたことと、戦時中の日本の残虐性と対比させるためであった。そして、その戦時中の日本の残虐性(大量虐殺)を土産にころがりこんだのが辻信政だったというわけである。日中戦争のはじめ、中国の国民党を支援していたのは、のちに日本と手を組むドイツであった。ドイツは、優秀な武器を与え、指揮したにもかかわらず中国が日本に負け続けたことで、中国を見限り撤退してしまった。つぎに、蒋介石が目をつけたのはアメリカである。やがてアメリカにもあきれられてしまうと、今度は敵であった日本に目をつけ、辻や旧日本の軍人をスパイとして日本に送り込んだのだという。「恩を以て恨みに報いる」はぼくの亡くなった父もよく口にしていたが、おめでたい日本人はこのことばにすっかりだまされてしまったのである。それにしても、のちにラオスで失踪するが、辻のような人間が戦中戦後をかくも縦横無尽に生き延びたことは実に驚嘆すべきことである。
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辻政信という日本軍人が、参謀として作戦を数多く失敗した挙句、終戦期には自らの野望を求めて、蒋介石に接近し、最後は弱体化した国民党をさらに見限って、共産党へと接近していく様子を描いている。日本人という感覚以上に、自分のアイデアを大切にし、その実現のために東アジアを股にかけて躍動する...
辻政信という日本軍人が、参謀として作戦を数多く失敗した挙句、終戦期には自らの野望を求めて、蒋介石に接近し、最後は弱体化した国民党をさらに見限って、共産党へと接近していく様子を描いている。日本人という感覚以上に、自分のアイデアを大切にし、その実現のために東アジアを股にかけて躍動する彼のストーリーは新しい。ただ、どこまで著者の記述が真実なのかはよくわからないが。
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