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洲崎遊廓物語 青蛙選書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 青蛙房 |
発売年月日 | 2013/10/26 |
JAN | 9784790501695 |
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洲崎遊廓物語
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「胸がざわつく幻影の街」 昭和33年「赤線」と呼ばれた公娼地帯の廃止の年、かつて吉原と並ぶ規模を持った遊廓街であり戦後「洲崎パラダイス」の名で知られた深川洲崎に繰り出した著者は、今はそこで娼婦として働いている幼なじみの悦子と偶然に出会う。明治から昭和にかけて都内有数の色街として...
「胸がざわつく幻影の街」 昭和33年「赤線」と呼ばれた公娼地帯の廃止の年、かつて吉原と並ぶ規模を持った遊廓街であり戦後「洲崎パラダイス」の名で知られた深川洲崎に繰り出した著者は、今はそこで娼婦として働いている幼なじみの悦子と偶然に出会う。明治から昭和にかけて都内有数の色街として男たちの欲望を呑み込んできた洲崎とはどのような街であったのか。当時の遊廓経営者や元娼妓たちへの取材、貴重な写真や資料をもとに明らかにする。 遊廓と言えば芝居やら映画やら時代劇に登場するのはもっぱら吉原で、洲崎とはどこぞや?という人も多いのではないだろうか。洲崎は、現在の東京都江東区で東西に延びる永代通りの東陽3丁目交差点から南側一帯で、その昔は南は海に面し三方を川に囲まれた島のような地形の場所だ。 そこにかつて根津から移された大小の娼館が建ち並び一大遊廓街を形成していた。若き日、自身もその遊客であったという著者は、この遊廓街にゆかりの人々に取材して、街の成り立ちや娼妓稼業の裏表、娼妓たちの素性やその仕事の実態を詳らかにしていく。 本書の取材が行われたのは昭和60年代、赤線の廃止から30年そこそこ、取材を受けた人たちは実際に「遣手(やりて)」として娼妓たちを仕切った女性であり、「妓夫太郎」として妓楼の雑務一切を請負いその表から裏までを知り尽くした老爺である。彼ら、いわばこの遊廓街の生き証人の話は実に生々しい。彼らの話からは、吉原の花魁の現実離れしたイメージしかない遊廓というものが、娼妓たちの結った日本髪や無用に紅い口紅、狭い座敷にひかれた薄い布団、裸電球の明るさ、といったようにより具体的なものとして浮かび上がってくる。 遊廓はどこの国でもいつの時代にも存在したものだが、女性が売り物として公然と認知されていたといういわば負の歴史であり、それがいかに貴重な証言であっても表立って語られる機会は少ないだろう。ましてや吉原について書かれたものは数多あるが、その吉原と並ぶ規模だったという洲崎についての書物はネット検索してみても希少であることがわかる。本書は昨年25年ぶりに新装版として出版されているが、その価値を認められてのことなのではないか。 縁あって、この洲崎遊廓街のど真ん中、かつてのメインストリートを歩いた。周りを水に囲まれた島のような地形と縦横に整然と引かれた道路の他は、色街だった当時を偲ばせるものは何も残っていない。時折運河から上がってくる潮の香りがかつては海に面した風光明媚な歓楽地だったことを思わせるくらいか。 改めて本書の裏見開きを見た。昭和4、5年頃だという洲崎の遊廓配置図が印刷されている。〇〇楼と名のついた、夥しい数の大小の妓楼また妓楼が、島を埋め尽くしている。この配置図を見るだけでも価値がある。自分の眼前に整然と開けている風景に、欲にまみれた幻影の街を見た思いがして胸がざわついた。
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