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たまゆら 新潮文庫
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たまゆら 新潮文庫

あさのあつこ(著者)

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たまゆら 新潮文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2013/10/29
JAN 9784101340326

たまゆら

¥220

商品レビュー

3.9

10件のお客様レビュー

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2024/03/27

2013年刊同名単行本の文庫化。島清恋愛文学賞受賞作。 陽介を探しに花粧山に登ろうとする真帆子は、雪の中、車道がなくなる山裾の一軒家にたどり着く。陽介は幼馴染みで、好きだったのに遠ざかって別の高校に通っていたが、1年前の雪の日に父親を刺し殺して行方不明になっていて、花粧山に行き...

2013年刊同名単行本の文庫化。島清恋愛文学賞受賞作。 陽介を探しに花粧山に登ろうとする真帆子は、雪の中、車道がなくなる山裾の一軒家にたどり着く。陽介は幼馴染みで、好きだったのに遠ざかって別の高校に通っていたが、1年前の雪の日に父親を刺し殺して行方不明になっていて、花粧山に行きたいと書いていたことを知って、大学に合格した真帆子は山に向かっていた。 一軒家に住む伊久男と日名子の老夫婦は、人の世界と山の境にいて、思い詰めて山に向かおうとする人たちを迎え入れて休ませ、ある者はそこから戻り、ある者は山に入って帰ってきたり、帰ってこなかったりするという話を聞かせ、1年前に陽介が来て山に向かったが帰ってこなかったことを教えると、真帆子は山に入る決心をする。 老夫婦は止めるのだが、真帆子に同行することを決めて、知人に飼い犬を預ける。後半は山を登る途中での「天神事件」の関係者だという日名子の打ち明け話で、一気に主人公が変わってしまう。 日名子は旧家の息子に見初められて嫁いで12年たって、夫が連れてきた同僚の伊久男と恋に落ちて家を出たが、その元夫は自分の両親、姉とその子を日本刀で殺し、日名子たちの家に押しかけてきて母親を殺し、日名子に襲いかかるが伊久男ともみ合うところを日名子が刀で反撃したため逃げ、花粧山で車が見つかった。その後日名子と伊久男は、あちこちを転々とするが、結局山に戻ったが、山には入ったことがなかった。 真帆子は山の上で陽介を見つけ(亡霊じゃない!)、罪に向き合うように諭して山を下りるが、日名子と伊久男は雪崩に飲み込まれてしまう。陽介が刑務所から戻るのを待ちながら、真帆子は山裾の一軒家で日名子たちの代わりを務めている。 ここ数年仕事で修験道の資料を読んでいるが、昔は山は畏敬の対象となる聖域であって、けっして楽しみで登るものではなかったのだが、日名子の感覚はそれに近いものがあると思う。

Posted by ブクログ

2021/03/03

山と人間の関わりは深く、昔からだと言われてる。人の魂は、山に帰り、山には神様がいると信じられてきた。そんな神聖な山をテーマに、女の情愛と山を見事に書き上げている傑作である。

Posted by ブクログ

2019/12/06

人の踏み込めない領域で起こること。 ファンタジーと括って良いものなのか、神々の仕業か、はたまたその領域で起こる自然現象なのか。 自分に理解できないことを脳内補完しがちだが、「わからない」とする方が潔い。 理屈ではない。 人の力、意思でどうにもならないことはいくらでも存在する。 科...

人の踏み込めない領域で起こること。 ファンタジーと括って良いものなのか、神々の仕業か、はたまたその領域で起こる自然現象なのか。 自分に理解できないことを脳内補完しがちだが、「わからない」とする方が潔い。 理屈ではない。 人の力、意思でどうにもならないことはいくらでも存在する。 科学者が立ち向かうのなら兎も角、只人が無意味に抵抗したところで事実が捻曲がる。 山で起こることも人の中で起こる恋愛感情も、根底では同じなのかもしれない。 世界観を丁寧に丁寧に綴られた一冊。 素敵な本だった。

Posted by ブクログ

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