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保守とは何か 文春学藝ライブラリー
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保守とは何か 文春学藝ライブラリー

福田恆存(著者), 福田恆存(著者), 浜崎洋介(編者), 浜崎洋介(編者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2013/10/18
JAN 9784168130021

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2023/12/29

巻頭の「一匹と九十九匹と」は敗戦の翌年に書かれた恆存の戦後の批評活動の原点とも言うべき重要な論考である。学生時代に読んだが、脳天を砕かれるような衝撃を受けたことを鮮明に覚えている。他にも読み応えのあるものが多数収録されているが、これ一編だけでもこのアンソロジーを手に取る価値がある...

巻頭の「一匹と九十九匹と」は敗戦の翌年に書かれた恆存の戦後の批評活動の原点とも言うべき重要な論考である。学生時代に読んだが、脳天を砕かれるような衝撃を受けたことを鮮明に覚えている。他にも読み応えのあるものが多数収録されているが、これ一編だけでもこのアンソロジーを手に取る価値がある。 文学に限らず、政治的メッセージが込められた芸術にはあるいかがわしさが伴う。それは政治の冒涜である以上に芸術の冒涜であるからだ。文学が政治をテーマにして悪いとは言わない。要はそこに語るに足る人間が描かれているかどうかだ。僕らは戦後教育で与謝野晶子の「君死にたもうこと勿れ」が反戦歌であると教わった。だが反戦であろうとなかろうと、この詩が僕らの胸を打つのは、愛する弟に生きて帰って欲しいという姉の切実な願いに誰もが共感するからだ。それは政治によって決して代用することのできない文学の命だ。そのことを忘れて文学を政治の婢にすることを恆存は断固拒否した。 「善き政治はおのれの限界を意識して、失せたる一匹の救ひを文學に期待する。が、惡しき政治は文學を動員しておのれにつかへしめ、文學にもまた一匹の無視を強要する。・・・ぼくは政治の限界を承知のうえでその意圖を認める。現實が政治を必要としているのである。・・・善き政治であれ惡しき政治であれ、それが政治である以上、そこにはかならず失せたる一匹が殘存する。文學者たるものはおのれ自身のうちにこの一匹の失意と疑惑と苦痛と迷ひとを體感してゐなければならない。」

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2022/07/10

福田恒存の保守主義入門書。 彼は戦後日本を跋扈した軽佻浮薄な「主義」「偽善と感傷」を批判し続けた。 エゴの折り合いでしかない「民主主義」という消極的制度を、あたかも積極的価値であるかのように勘違いしていく戦後の進歩的空気への警鐘、アメリカが「押し付けた」民主主義を日本の指導者も大...

福田恒存の保守主義入門書。 彼は戦後日本を跋扈した軽佻浮薄な「主義」「偽善と感傷」を批判し続けた。 エゴの折り合いでしかない「民主主義」という消極的制度を、あたかも積極的価値であるかのように勘違いしていく戦後の進歩的空気への警鐘、アメリカが「押し付けた」民主主義を日本の指導者も大衆もそれをアメリカから「押し戴いた」という事実。 相手に対して自由や独立は主張してもよいが、それを裁いてはならぬ。過去を現在から隔離し、現在とは無縁のものとみなしてはならない。過去は現在と同時存在であり、過去は現在のうちにある。 「抽象的な徳目の列挙で道徳が身につくと思うのは大間違い」(自然の教育)なのだ。逆に具体的な「愛着」をこそ味わい生きること。---等々。 浜崎洋介がピックアップしたアンソロジー。

Posted by ブクログ

2017/01/29

「一匹と九十九匹と」を、同年発表の丸山眞男「超国家主義の論理と心理」と比べると実に面白い。丸山が旧時代の価値の陳腐さを暴露し、新たな価値を時代に刻み込もうとしているのに対し、福田は新たな価値が敷かれた時代においても旧時代と同じく99匹に対する1匹が存在せざるを得ないことを指摘する...

「一匹と九十九匹と」を、同年発表の丸山眞男「超国家主義の論理と心理」と比べると実に面白い。丸山が旧時代の価値の陳腐さを暴露し、新たな価値を時代に刻み込もうとしているのに対し、福田は新たな価値が敷かれた時代においても旧時代と同じく99匹に対する1匹が存在せざるを得ないことを指摘する。 どのような社会においても政治が救えない1匹はいる。常にこの考え方が根底にあるから、戦前と戦後で声高に叫ばれたそれぞれの近代的諸価値を無条件に信じていない。では何に軸足を置くのか。それは古典や歴史の積み重ねであることが、以降の論述で繰り返し述べられる。旧仮名遣いにこだわる理由も開陳され、思想のみならずライフスタイルも含めて徹底的な保守派であることがわかる。 同時代的なトピックに触れた論述が多いものの、福田の反応は流行り廃りのないスタイルとなっており今後も長く読まれることだろう。

Posted by ブクログ

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