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がんのお姫様
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海老原暁子【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2013/10/08
JAN 9784000259200

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商品レビュー

4.5

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2017/04/28

ちょっと変わったタイトルに、少女趣味のような表紙のデザイン。だが、中身を読めば、ちょっとマッチョで頗る元気な女性の書いたがんの闘病記である。 東京近郊の裕福な家庭に生まれ、不自由なく育った環境を自分はお姫様だったと最初に書いている。しかし、読み進めていくと、ジェンダー主義、フェ...

ちょっと変わったタイトルに、少女趣味のような表紙のデザイン。だが、中身を読めば、ちょっとマッチョで頗る元気な女性の書いたがんの闘病記である。 東京近郊の裕福な家庭に生まれ、不自由なく育った環境を自分はお姫様だったと最初に書いている。しかし、読み進めていくと、ジェンダー主義、フェミニズムに目覚め、二度の結婚を経て、三人の子供を育て、職業婦人として忙しい人生を送り、周囲のしがらみにとらわれず、気高く自立する自分をもう一度「お姫様」と捉え直している。 自分よりも進んだ病勢での闘病開始で、再発、再再発もしている。闘病記と言ってしまったが、治療の様子などの光景よりも、むしろ病院外での日々過ごしてきた生活や、休職中の職場との関係、家族とのしがらみ、などの光景の方にページが多く割かれている。がんの種類が違うので、治療などが違う部分もあるが、同じ病院にかかっている親近感を覚えた。 抗がん剤治療の副作用の辛さなど、大変なしんどい体験が綴られているが、文体も勢いがあるし、家族と一緒に、常に前向きに毎日を過ごしている様子には、元気がもらえた。 抗がん剤の功罪を謳う本もあるし、代替療法も世の中には数多あるし、がんとは闘うな、共生すると考えるべきだという説もある。正直、がん患者にとってはどの情報に寄り添うのがよいのか本当に迷う。しかし、本書を読むと、やはり抗がん剤による治療は避けられない、と思うし、がんと共生するという考えも、一定部分は肯定するところもあるが、やはり、闘わなければ、年という単位で存命期間を延ばすことはできないだろうな、と思った。 自分の存命期間はたぶん、あと数か月、ということはないが、おそらくあと数年、というところではないかという気がする。それでも、今はそれほどそれが怖いことでも、悲観することでもないと思っている。残された期間を、できるだけ充実させて、面白く楽しく生きられることを願うだけである。 自身の宗教観について、どの宗教にも依らず、最後は「うすぼんやりと、穏やかな野辺送りを望む」と書かれているが、その死生観にはとても共感する。

Posted by ブクログ

2015/11/02

ジャケ買い。あとどこかで読んだ、「仕事にまい進してきた女性ががん宣告をされたとき、これまでの人生で成し遂げた一番大きなことは、3人の子どもを育てあげたことと思った」というくだりに魅かれて。巷にあふれる自分語りのがん闘病記ではなく、女性一代記としても面白いものを、という著者の思いは...

ジャケ買い。あとどこかで読んだ、「仕事にまい進してきた女性ががん宣告をされたとき、これまでの人生で成し遂げた一番大きなことは、3人の子どもを育てあげたことと思った」というくだりに魅かれて。巷にあふれる自分語りのがん闘病記ではなく、女性一代記としても面白いものを、という著者の思いは実っていると思う。仕事、家庭、病気・・・人生は色々ある。パワフルでユーモアを忘れない姿勢は見習いたい。ご冥福をお祈りします。

Posted by ブクログ

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