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歴史主義の貧困 日経BPクラシックス
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 日経BP社/日経BPマーケティング |
発売年月日 | 2013/09/20 |
JAN | 9784822249663 |
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歴史主義の貧困
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商品レビュー
4.5
4件のお客様レビュー
なかなか難解。 歴史主義の誤り 1人間の歴史の道筋は知識の成長による 2合理的・科学的方法により将来の知識は予測不可能 3従って人間の将来の歴史の道筋は予測不可能 4これは理論歴史学が成立不可能であることを意味する 5歴史的発展の理論を構想する歴史主義は破綻する
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書店でふと目に入ったので深く考えずに購入しました。結論から言うとマルクス主義者の主張やヘーゲルの歴史哲学、あるいはジョン・スチュワート・ミルの論理学などの知識がある程度ないと理解が難しいのではないかと感じました。逆に言うとこの辺りの議論全盛期の時代背景を理解しながら本書を読み進め...
書店でふと目に入ったので深く考えずに購入しました。結論から言うとマルクス主義者の主張やヘーゲルの歴史哲学、あるいはジョン・スチュワート・ミルの論理学などの知識がある程度ないと理解が難しいのではないかと感じました。逆に言うとこの辺りの議論全盛期の時代背景を理解しながら本書を読み進める必要があると思います。 本書の特徴は、まず前半でポパーが呼ぶところの「歴史主義(ヒストリシズム)」とは何かの解説をし、後半はそれに対するポパーの反論をしていくと言う構成です。まずヒストリシズムですが、実はこの定義自体が単純ではありません。一例を挙げると、歴史は必然的な流れがあり、人類はその「正しい」道筋から逸れることはできない、と言う意味で運命論者的ですが、かといって受け身的ではなくむしろ能動的だったりします。つまり「正しい」道筋への動きを加速化させるために我々は能動的に動く必要があると言う主張です。そのため前半で歴史主義とはなんぞや、と言う点を理解するのにやや四苦八苦します。ただマルクス主義者の主張をある程度知っている人でしたら、それを念頭においておけばイメージはしやすいかと思います。 後半は打って変わってポパーによる歴史主義への批判です。こちらも様々な視点から批判がなされていますが、私が一番印象に残ったのは28節に記載されている『歴史主義者の貧困とは、想像力の貧困であると言って良いだろう。歴史主義者は常々、自分たちが生きている狭い世界の中で変化を想像できない者を非難するが、想像力を欠いているのは、変化の条件が変化することを想像できない彼ら自身であるように思える』と言うくだりでした。それを端的に表しているのが、歴史主義者は単なる「トレンド」を「法則」と大仰に呼んでいることでしょう。この指摘は非常に鋭いと感じました。本書、全体的には非常に偏った見解であるような印象も強く個人的には納得できない箇所もいくつかありましたが、それを超えて全体主義批判、歴史主義批判書としては必読書だと思います。
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カール・ポパーの本を読むのは初めて。 「科学と反証可能性」については概要を知っていた程度だが、本書を読んでカール・ポパーの主張について理解が進んだ。 我々が普段信じている「普遍法則」というのは、日頃当たり前としている特定の初期条件(宇宙が膨張している間や太陽系の地球に住んでい...
カール・ポパーの本を読むのは初めて。 「科学と反証可能性」については概要を知っていた程度だが、本書を読んでカール・ポパーの主張について理解が進んだ。 我々が普段信じている「普遍法則」というのは、日頃当たり前としている特定の初期条件(宇宙が膨張している間や太陽系の地球に住んでいる状態)が続く限りにおいて成立するのであって、全ては「トレンド」に過ぎない。 ブラック・スワンのように、1つの反証によって否定される可能性が常にあるのが科学であって、いくら検証を重ねたところで真理にたどり着くことはない(蓋然性だけは高まっていく)。 自分も普段、科学や自然法則を絶対的なルールとして信じたり、アナロジーを通して他分野でも同じように考える人間であったので、本書を読んで批判的に検証することの有用性、「知識は引き算」であることを感じられて良かった。
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