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将軍の象 採薬使佐平次
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | KADOKAWA |
発売年月日 | 2013/10/02 |
JAN | 9784041105580 |
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将軍の象
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将軍の象
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商品レビュー
3.3
7件のお客様レビュー
採薬師佐平次の2作目。梨春や省吾といった脇を固める登場人物がいい味を出している。映画化やドラマ化しても、面白いものになると思う。
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採薬使・植村佐平次が将軍吉宗に献上する象を長崎から江戸に運ぶ道中で、様々な妨害があり、それに対処する物語だが、佐平次は冷静な判断で任務を完遂する.京では中御門天皇も登場.妨害する側の中心人物が羽指吉十郎、色々な妨害策を発想する手腕は素晴らしい.象使いの中国人漂綿と佐平次のやりとり...
採薬使・植村佐平次が将軍吉宗に献上する象を長崎から江戸に運ぶ道中で、様々な妨害があり、それに対処する物語だが、佐平次は冷静な判断で任務を完遂する.京では中御門天皇も登場.妨害する側の中心人物が羽指吉十郎、色々な妨害策を発想する手腕は素晴らしい.象使いの中国人漂綿と佐平次のやりとりが面白かった.将軍に佐平次がかなりキツイことを進言している.トップにある人には厳しい指摘をする取り巻きが必要なのだが...
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ナウマンゾウの絶滅後、日本は象の自然生息地ではない。 歴史上、海外から象が献上された例はいくつかあり、足利義持、正親町天皇、豊臣秀吉などに贈られている。 徳川八代将軍吉宗の時代にも、雌雄1対の象がやってきたことがあった。本書はその顛末を巡る物語である。 吉宗は倹約を旨とした将軍...
ナウマンゾウの絶滅後、日本は象の自然生息地ではない。 歴史上、海外から象が献上された例はいくつかあり、足利義持、正親町天皇、豊臣秀吉などに贈られている。 徳川八代将軍吉宗の時代にも、雌雄1対の象がやってきたことがあった。本書はその顛末を巡る物語である。 吉宗は倹約を旨とした将軍である。その吉宗が、象のようないかにも無駄の多いものを入手した裏には、何らかの事情があったのではないか、というのが本書の着眼点であろう。 「お上」のちょっとした気まぐれ、その意向を酌み取ろうとした(あるいは酌み取りすぎた)「忠義の家臣」の出過ぎた配慮、将軍に反感を抱く大名家、その家臣たち。さまざまなものが少しずつ掛け違い、すれ違って、南国から遠く離れた日本へと巨大な獣を運んでくる。 サブタイトルの採薬使とは、将軍の命を受け、諸国の薬草を採集・研究した人々を指す。本書ではいわゆる御庭番の使命も帯びていたとしている。「採薬使佐平次」はシリーズ物であるようだが、前作を読んでいなくても特に支障はない(ただ、採薬使としての本来の役目の部分に関しては、本書では十分には触れられていないように思う)。 吉宗の時代に、安南(ベトナム)から象が運ばれ、長崎で雌象が死に、雄象は陸路を江戸に向かい、途中、帝に拝謁するため位を得て、最終的に江戸に着いた、というあたりは史実であるようだ。 このとき、日本列島を縦断した象は沿道の庶民に強い衝撃を与え、江戸にも大きな流行を巻き起こした。装飾品や置物、歌舞伎や祭の山車など、さまざまなものに象の意匠が使われた。 象の行進は1728年のこと。印象深い象の絵を描いた伊藤若冲(1716-1800)も、あるいは京で、その姿を見たかもしれない。 本書は史実をふくらませつつ、ほろ苦い物語に仕立てている。 次第に採薬使と心を通わせ、「お手」ならぬ鼻を人の掌に乗せる芸のようなものを覚えたり、名前をつけてもらったり、酒を酌み交わしたりする象の姿は愛らしく、衝動的に象を飼いたくなるほどだ。 マメハンミョウの毒性(猛毒のカンタリジンを持ち、ヒトならば数匹分で致死性だという)や、鏃の返しは引き抜くときに傷を大きくするため、切開して取り出した方がよいなど、豆知識も興味深い。 さまざまな立場のものたちの思惑が絡み合い、あるいは象を守ろうと、あるいは象を殺そうとする中、戦闘で何人もが命を落とす。 江戸にたどり着いた象は、不遇の晩年を送り、そして悲惨な最期を遂げる。運命の巡り合わせから、思いもよらぬ異国で迎えたその末路は、あまりにも哀しい。 採薬使・佐平次とともに、そっと象の遺品に手を触れ、声を掛けてやりたくなる、余韻あるラストである。 *同じ出来事を題材に、象の搬送を史料から再現した『象の旅―長崎から江戸へ』という本もあるようです。これはこれでおもしろいかも。
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