相続税 調査実態からみる申告書作成のテクニック 元国税調査官が教える！

武田秀和【著】

• 販売会社／発売会社: 日本法令
• 発売年月日: 2013/09/18
• JAN: 9784539723371

商品レビュー

2015/04/21

国税OBで相続税調査一筋できた武田税理士による相続税申告書の入門書。武田税理士は相続税のマニアックな本を書かれていることで有名だ。絵画、備品などの一般財産の評価方法の本など調査経験に裏打ちされた書籍が多い。相続税専門にやっている税理士は別としてほとんどの税理士は相続税申告書なんて何年に一回しかお目にかかれない。したがって相続税申告については、年がら年中調査に明け暮れている調査官に分がある。この差はなかなか縮まらないのだ。
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しかし、見逃せないのが、端数の出金です。たとえば、ある日被相続人の普通預金から1234567円の現金出金があった。こういう金額の現金出金は、下手な推理小説より調査官の意欲をいたく刺激します。なぜ、この金額なのだろうか、どこへ持っていくために出したのだろうか、本当に現金で持っていったのだろうか、あと765433円を足せばちょうど200万円になる、もしかしたら家族名義預金や架空名義預金から765433円の出金がないだろうか。567円は振込手数料で1234000円をどこかにふりこんでいないだろうか。割引債の発行価額を逆算して150万円にならないだろうか。この日の前後に、孫の結婚式があったような気もするが･･･。寝ても覚めても通勤途上でもこの端数の金額が頭から離れません。そして、銀行調査をした結果、ハワイに送金していた事実を解明した時の喜びはひとしおです。端数は、ドル換算によるものだったのです。端数出金には必ず理由があるものです。