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文学のレッスン 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2013/09/30 |
JAN | 9784101169125 |
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商品レビュー
4
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季刊「考える人」に掲載されたインタビューをまとめたもの。短篇、長篇、伝記・自伝、歴史、批評、エッセイ、戯曲、詩の各分野について最先端の立場からの刺激的なお話。 長編小説が発展するためには読み手の成熟(資産、閑暇、教養が十分あって、小説の世界とじっくり付き合う時間をもてる)という...
季刊「考える人」に掲載されたインタビューをまとめたもの。短篇、長篇、伝記・自伝、歴史、批評、エッセイ、戯曲、詩の各分野について最先端の立場からの刺激的なお話。 長編小説が発展するためには読み手の成熟(資産、閑暇、教養が十分あって、小説の世界とじっくり付き合う時間をもてる)という要素も無視できないという話になるほどと思う。たしかに、学生時代(なかでも教員研修で海外滞在中)ほど長編小説に読みふけったときはなかったし、家族の世話や仕事に追われる今の日常では隙間で読める短篇やエッセイはそれなりにはかどっても(このような対談型の評論も小間切れの読書に耐えるから読み進んでいるけれど)長編小説や分厚い評伝にはなかなかとりかかれない。 イギリスで長編小説、フランスで短編小説がはやった理由など、歴史や当時の社会事情なども含めてそういうことを考えることがこれほどおもしろいと気づかせる話術もすごい。大学の文学講座でこういう話が聞けたら、それを緒にたのしい卒論がたくさん生まれそうな気がする。 詩の話も示唆に富んでいた。 日本の近代文学は詩(レトリックと音楽の同時的併存、相乗効果によってもたらされる快楽)を失ったという話にはうなずくところが多いけれど、一方で、昔話のような伝承や子供向けの物語や絵本の文章など、いまもいいまわしのおもしろさと韻律が生きていてかつ作品の質を保証している世界もあると思うので、それについての意見も聞いてみたかったと思う。
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丸谷才一さんの言葉はすごくわかりやすい。長編小説、短編小説、伝記、批評、詩、エッセイなどに分けて、聞き手の湯川豊さんが進行。イギリスで短編小説の地位が上がらず、長編ばかりが好まれるのはブルジョワ社会の成熟が早かったからじゃないかとか。誰が書いた何が出てきて文学シーンがどうとかって...
丸谷才一さんの言葉はすごくわかりやすい。長編小説、短編小説、伝記、批評、詩、エッセイなどに分けて、聞き手の湯川豊さんが進行。イギリスで短編小説の地位が上がらず、長編ばかりが好まれるのはブルジョワ社会の成熟が早かったからじゃないかとか。誰が書いた何が出てきて文学シーンがどうとかって話じゃなく、そのお国の政治や成熟度が大きくその国の文学のあり方を左右したのではないかという話。長編小説は日本ではすごく難しい試みだったとか、ああいわれてみればというような発見が多い。加藤周一の日本文学史序説、この後に読むか前に読むかしたら補完しやすいんじゃないかと思う。語り口もジャンルも全く違うんだけど、文学がいかにして人と歩んできたのかがわかりやすいと思う。 丸谷さんも訳に加わっているユリシーズ積んであるなぁ。読まなきゃ。でかいし重いから文庫で買えばよかったと後悔。丸谷さんは小説は一作しか読んでないけどエッセイや対談形式の著作が好き。
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※このレビューにはネタバレを含みます
20131130読了。とにかく面白かったの一言に尽きます。 はじめて“文学史”を題材にした批評ものを読む。 批評といっても、対談をもとに構成された内容なので構えず読むことができます。率直にストレートに気兼ねなく、海外も含め文学の辿ってきた軌跡を、しゃべり倒してるのがなんともおもしろい。対談をしているお二人の知識がすごすぎて。。作家の名前とか本のタイトルとかはっきりいってわからないのだらけだったけど、知らなかったことを知るのって、こんなにおもしろいのか!とドキドキしながら読みました。 やはり、読書好きを名乗るからには、もっと古典を知らなければ!と本当に思いました。古典には、何百年経っても読み続けられる「理由」があるはずです。人間の本質が、この世界の本質が。人間という存在が存在したときから持つ運命にあった根源が。
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