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記号論(1) 講談社学術文庫
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記号論(1) 講談社学術文庫

ウンベルトエーコ【著】, 池上嘉彦【訳】

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記号論(1) 講談社学術文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2013/09/12
JAN 9784062921947

記号論(1)

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2024/11/27
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『記号論1』は、ウンベルト・エーコが記号論の全体像を体系的に描き出した記念碑的な著作です。エーコは、それまで個別に発展してきた様々な記号研究の伝統を統合し、現代的な記号論の基礎を築き上げました。 本書の特徴は、難解になりがちな記号論の概念を、具体的な例を豊富に用いながら説明していく手法にあります。例えば、「記号」という基本概念を説明する際、エーコは交通信号から芸術作品、動物の行動に至るまで、実に多様な事例を取り上げます。信号機の「赤」が「止まれ」を意味するのは、交通ルールという文化的な約束事の中でのことです。同様に、ミケランジェロの「ピエタ」が「悲しみ」を表現するのも、西洋文化という文脈の中でのことなのです。 エーコの分析の特徴的な点は、記号過程(セミオーシス)を動的なプロセスとして捉える視点です。記号は単に何かを「指し示す」だけでなく、それを解釈する過程で新たな意味を生み出していきます。例えば、「バラ」という記号は「赤い花」を指し示すと同時に、「情熱」や「愛」といった文化的な意味も含んでいます。さらにそこから、詩的な表現や新たな象徴的意味が生まれていく可能性も持っているのです。 本書で特に興味深いのは、「コード」の概念についての詳細な分析です。エーコによれば、あらゆる記号は何らかのコード(規約)に基づいて機能します。例えば、言語は文法というコードを持ち、服装は服飾文化というコードを持っています。しかし、これらのコードは固定的なものではありません。むしろ、新しい表現や解釈を通じて、絶えず更新され、変化していくものなのです。 また、エーコは「文化」そのものを記号システムとして捉える視点を提示します。私たちの日常生活のあらゆる側面—食事の作法から建築様式、身振り手振りに至るまで—が、意味を持った記号として機能しているというのです。この視点は、文化を理解する新しい方法を提供するとともに、異文化理解の可能性と限界についても示唆を与えています。 本書の現代的な意義は、メディアやコミュニケーションの問題を考える上での理論的基礎を提供している点にもあります。例えば、インターネット上のコミュニケーションや、グローバル化する文化の中での意味の伝達といった現代的な課題も、エーコの理論枠組みを使って分析することができます。 確かに本書は、その包括的な性格ゆえに、時として抽象的な議論が続くこともあります。しかし、池上嘉彦による緻密な翻訳のおかげで、日本語でもエーコの思考の明晰さが十分に伝わってきます。記号論や文化理論に関心を持つ読者にとって、本書は基本的な参照点となる著作といえるでしょう。 特に印象的なのは、エーコが学問的な厳密さを保ちながらも、常に具体的な文化現象との接点を失わない点です。それは彼自身が小説家としても活動していたことと無関係ではないでしょう。理論と実践の両方を知る者ならではの、バランスの取れた視点が本書の大きな魅力となっています。

Posted by ブクログ

2014/05/05

序論 文化の論理を求めて 0.1 記号理論の輪郭 0.2 「記号論」ー研究分野なのか体系的学問なのか 0.3 コミュニケーションと意味作用 0.4 政治的境界ー分野 0.5 自然的境界ー記号論の二つの定義 0.6 自然的境界ー推論と意味作用 0.7 自然的境界ーその下限 0.8 ...

序論 文化の論理を求めて 0.1 記号理論の輪郭 0.2 「記号論」ー研究分野なのか体系的学問なのか 0.3 コミュニケーションと意味作用 0.4 政治的境界ー分野 0.5 自然的境界ー記号論の二つの定義 0.6 自然的境界ー推論と意味作用 0.7 自然的境界ーその下限 0.8 自然的境界ーその上限 0.9 認識論的な境界 第1章 意味作用とコミュニケーション 1.1 基礎的なコミュニケーション・モデル 1.2 体系とコード 1.3 構造としてのsコード 1.4 情報、コミュニケーション、意味作用 第2章 コードの理論 2.1 記号機能 2.2 表現と内容 2.3 表示と共示 2.4 メッセージとテクスト 2.5 内容と指示物 2.6 文化的単位としての意味 2.7 解釈項 2.8 意味体系 2.9 意味標識と意義素 2.10 KFモデル 2.11 意味論の改訂モデル 2.12 モデル”Q” 2.13 意味空間の構成 2.14 過剰コード化と過小コード化 2.15 コードと開かれた形式としてのメッセージとの相互作用

Posted by ブクログ

2014/04/11

1巻には第1章、第2章を収録。 エーコを作家と見るか学者と見るかは読者次第……という気がするが、これは研究書として有名な本。

Posted by ブクログ