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異常気象と人類の選択 角川SSC新書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 角川マガジンズ/KADOKAWA |
発売年月日 | 2013/09/10 |
JAN | 9784047316225 |
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異常気象と人類の選択
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商品レビュー
3.7
7件のお客様レビュー
自然科学者らしく、エビデンスに基づいて地球雨温暖化がどの程度進んでいるのか?何が確からしくて何が不確かなのか?様々な要素が絡んでの結果としての気候なので、予測は困難を極めるが、それでもどの程度の確率なのか?を前提に確実に人為的要素によって地球は温まりつつあるというのが理解できる書...
自然科学者らしく、エビデンスに基づいて地球雨温暖化がどの程度進んでいるのか?何が確からしくて何が不確かなのか?様々な要素が絡んでの結果としての気候なので、予測は困難を極めるが、それでもどの程度の確率なのか?を前提に確実に人為的要素によって地球は温まりつつあるというのが理解できる書籍。
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温暖化と異常気象の関係が論じられているほか、主要な懐疑論への回答がまとめられている。 熱中症による平年の国内の死亡者数は200〜400人だったが、2007年は900人を超え、2010年には1700人を超えた。温暖化によって大雨が降りやすくなるが、雨の日の日数は減少している。亜熱...
温暖化と異常気象の関係が論じられているほか、主要な懐疑論への回答がまとめられている。 熱中症による平年の国内の死亡者数は200〜400人だったが、2007年は900人を超え、2010年には1700人を超えた。温暖化によって大雨が降りやすくなるが、雨の日の日数は減少している。亜熱帯域では上空が高温になって大気が安定したり、相対湿度が低くなるため、雨が降りにくくなる地域がある。2011年にIPCCが発表した極端現象に関する特別報告書によると、人為起源の温暖化による可能性が高い影響は、高温の増加、低温の減少、高潮の増加くらいで、異常気象と温暖化の関連は認められない。夏に北極海の海氷が少なくなると、低気圧が北極よりの経路を通るため、冬にシベリア高気圧が発達しやすく、日本の冬が寒くなりやすい。 水蒸気の変化は気候システムの内部の過程なので、外部要因には含めない。気温の変化がCO2濃度の変化に先行しているとの指摘については、CO2の増加が原因で気温が上がり、その結果として陸上生態系がCO2を吸収しにくくなり、気温上昇を増幅すると説明している。太陽活動の変動によって地球に降り注ぐ銀河宇宙線が増減し、雲の形成に影響を与える説については、20世紀後半に銀河宇宙線が弱まっていないこと、CERNの実験で銀河宇宙線が雲の形成にもたらす効果は限定的という結論が得られていること、マウンダー極小期の気温低下が0.5℃という推定値が今後予想される温暖化に比べて小さいことをあげている。最近15年間、気温上昇が止まっていることについては、海の持つエネルギーの観測データや海面上昇が続いていることから、温室効果によるエネルギーは海の深層に吸収されていると考えられ、太陽活動が弱まっていることも要因としてあげている。ただし、気候モデルに与えている外部要因や、外部要因に対する気温の応答を大きく見積もり過ぎている可能性にも言及している。IPCC第4次報告書の間違いについては、確かに1〜2か所あったが、3000ページの報告書全体が疑わしいと考えるのは大げさだと主張する。 産業化前を基準に2℃を超えないためには、温室効果ガスの排出を炭素換算で1兆トンを上限にすることになる。すでにおよそ半分を排出しており、現在の排出量が続くと40年で許される排出量に達してしまう。積極派は2℃のフレームワーク、慎重派は経済価値のフレームワークで考えるため、両陣営の議論は平行線になる。
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慎重にして謙虚。温暖化の議論は本書読了を前提に始めるべき、というくらい、俯瞰的で網羅的で中立を保っている。バランスの取れた良書。結論を出せるだけの材料と頭脳を持ちながら、断定を避けて「確からしい」を積上げている。それだけに、第2章の終わり「陰謀論の泥仕合」は実に読む価値がある。
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