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避難弱者 あの日、福島原発間近の老人ホームで何が起きたのか?
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 東洋経済新報社 |
発売年月日 | 2013/08/31 |
JAN | 9784492223314 |
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避難弱者
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商品レビュー
3.7
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読売新聞の元記者で、国会事故調の調査員となった方の本。原発事故が起きたのち、双葉郡にあった老人ホームでどんなことが起きたのかが記されています。介護やケアをしている人の視点から書かれた一冊です。
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淡々と、偽りはなく、ただ東日本大震災、原発事故が起きた福島の老人ホームで何が起きたか。原発事故に続く避難はどのように行われて、利用者、職員たちはどのような状況におかれ、行動し、そして利用者のなかには避難行動の間に命を落とされた方も少なくない。 原発再稼動を口にする前に、行政の長は...
淡々と、偽りはなく、ただ東日本大震災、原発事故が起きた福島の老人ホームで何が起きたか。原発事故に続く避難はどのように行われて、利用者、職員たちはどのような状況におかれ、行動し、そして利用者のなかには避難行動の間に命を落とされた方も少なくない。 原発再稼動を口にする前に、行政の長は、国会議員はこのレポートを読んで欲しい。告発では無い、淡々と何が起きたかを記したこのレポートを。そして、再稼働した原発で事故が起きた場合でも、決してこのような事態を起こすことはないと、自らの良心に照らして正直に言えるのなら、責任を持ってその言葉を口にして欲しい。そして、万一の事態になったら、すべての仕事を放り投げても、その現場に立ち、責任を全うして欲しい。
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福島第一原発が水素爆発したとき、周辺の高齢者福祉施設ではどのような事態が起こっていたのか。「原発事故で亡くなった人はいない」という失言をした政治家がいたが、実際にはこの事故がきっかけとなって避難や慣れない土地での暮らしを余儀なくされ、結果的に命が短くなった方々が大勢いた。 デイ...
福島第一原発が水素爆発したとき、周辺の高齢者福祉施設ではどのような事態が起こっていたのか。「原発事故で亡くなった人はいない」という失言をした政治家がいたが、実際にはこの事故がきっかけとなって避難や慣れない土地での暮らしを余儀なくされ、結果的に命が短くなった方々が大勢いた。 デイケア、養護老人ホーム、特養、、普段の自分の生活から聞き慣れない施設名が並び、これら高齢者福祉施設での活動が暮らしから乖離している事実に気づく。そして原発があったからこそ、その地域に多くの高齢者福祉施設が建てられた現実がある。そこにいる高齢者たちは、生活するにも介助や支援が必要である生活弱者であり、さらに緊急時に避難をする際には“避難弱者”となる。 高齢者福祉施設に勤務する人たちは、あの日、大地震と津波、そして原子力発電所の事故という過酷な状況に遭遇し、自らも家族が行方不明になる等の被災者であったが、“避難弱者”である入居者たちに寄り添い、二転三転する避難先で衛生状態悪化や物資不足に苦慮し、最終的に受入先を見つけるところまで奔走した。 一方で高い放射線量を計測しながらも、高齢者を無理に移送する方がリスクが高いと国や自治体の命令を無視して残った施設もあった。果たしてどちらが正しい選択だったのか、我々がその場に居合わせたとしてもそれを判断できる自信も根拠もまったくないだろう。 高齢者福祉施設に入居している方々にとって、国や自治体の勧告にしたがって安全なところまで避難し続けることは、別の見方をすれば見知らぬ土地で赤の他人に迷惑をかけ続けるということである。人間にとって、住み慣れた故郷で人生を全うしたいと想うことも、尊厳を満たす考え方である。 人道か尊厳か、命の軽さか重さか、避難か故郷か。非情なる現実のルポを通じて、人間の生き様と業が垣間見える。
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