ルネサンス・天才の素顔 ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエッロ三巨匠の生涯

池上英洋【著】

• 販売会社／発売会社: 美術出版社
• 発売年月日: 2013/08/26
• JAN: 9784568202618

商品レビュー

2022/08/17

借りたもの。
ルネサンス三大巨匠――レオナルド、ミケランジェロ、ラファエロ――の人物像にせまり、その作品、その凄さ、当代から後世への影響までを紹介した本。
小さめながら、内容が充実しつつも読みやすい。
中世の一時期、フィレンツェという狭い地域で互いに面識があるこの３人が、西洋美術史全体を語る上で外せない――というより、その全てと言って過言ではない――という事実を指摘され、改めて衝撃を受ける。
彼らの作品と生涯を通じて、中世フィレンツェがどの様な時代、場所であったかが伝わってくる。
それは勿論、当人だけでなく当時の人々が多くを書き残し今に伝えているからなのだが。
簡潔に紹介されていて、読みやすい。
「万能人」「美の巨人」「美のカノン」と呼ばれた3人。
…やっぱり、完成させた作品も仕事量も多いミケランジェロにページが多く割かれている。

2022/01/16

ルネサンスの三大巨匠
ダヴィンチとミケランジェロ、ラファエロの生涯。
作品や依頼の背景もあり貴族たちとの関わりも知ることが出来る。

中でも個人的に考え深く感じたのは
作品を作って売ると言うことではなく
受注生産のオーダーメイドであったという点。
それも受注生産で手付金をもらっても、完成しないとか受書通りの材料を使わない事があったと言うこと
これには正直なところ美術館では知ることが出来ないものが加わり今後の鑑賞では思い出さずには居られないだろう。

この材料を使って色はコレと指定する場合、対価であるお金を払うのではなく仕上がり過程で支給品として届けると言う。
それはお金で与えてしまうと似たような材料で胡麻化される恐れがあると言う。
成る程どちらも知恵比べなんだ。

ミケランジェロの天井画はイヤイヤ描いたと言うのも面白い。

美術館に興味があるけど作品の背景はイマイチ知らないって人にはサラッと楽しく読めるお勧めの本だと思います。

2019/08/04

レオナルド・ダ・ヴィンチ（1452-1519）ヴィンチ村
ミケランジェロ・ブオナローティ（1475-1555）カプレーゼ村
ラファエッロ・サンツィオ（1483-1520）ウルビーノ村

　このようにルネサンスの巨匠を並べてみると、この限られた時代に、しかもイタリアのフィレンツェ近郊に集中してよくこれらの天才が誕生したものだと感心する。フィレンツェを中心にメディチ家が安定的な実権を握っていたことと徒弟制度を基本とする工房が充実していたこともその一因であろう。
　ルネサンスはフランス語で再生や復興を意味するという。ローマ教皇によるキリスト教の文化とギリシャ・ローマ時代の神話の世界との融合である。
　本書は３巨匠の人間性の違いを垣間見ることができてなかなか面白かった。ただ著者や編集者がもう少し丁寧に作り込んでくれたらいいななと感じた部分がいくつかあった。