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名誉の殺人 母、姉妹、娘を手にかけた男たち 朝日選書907
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 朝日新聞出版 |
発売年月日 | 2013/08/09 |
JAN | 9784022630070 |
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名誉の殺人
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商品レビュー
4.5
7件のお客様レビュー
東大王出演の鈴木光さんが紹介していたので興味があって読んだ。 「名誉」を重んじる文化で、不道徳、家族親族に対して恥や名誉を傷つけられたとされる女性への扱いが残酷。性的暴力を受けた被害女性に対しても容赦がない。噂という世間体の圧力のみという理由の場合もあるという。同族の主に男性の...
東大王出演の鈴木光さんが紹介していたので興味があって読んだ。 「名誉」を重んじる文化で、不道徳、家族親族に対して恥や名誉を傷つけられたとされる女性への扱いが残酷。性的暴力を受けた被害女性に対しても容赦がない。噂という世間体の圧力のみという理由の場合もあるという。同族の主に男性の集団による女性処分が決定され、遂行者は刑が軽くなる未成年に託されることが多いらしい。 年間5千件というがそれ以上という推測あり。 このような取材を続けるのはかなり想像を絶する困難さがあったと思う。取材ではわかりえない被害女性の感情が脚色されている内容は少し気にはなった。その後、の救われるような話はなく、読後感はしんどさがある。
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かつて自分が命を授かる=子が産まれる直前に「生きながら火に焼かれて」という名誉の殺人から生きながらえた女性に関する本を読んだが、その時とはまた違う感想を持たざるを得なかった。本書は殺人を犯した男性側を取材したルポであり、そこには「コミュニティにおけるルールに従った」と単純化出来な...
かつて自分が命を授かる=子が産まれる直前に「生きながら火に焼かれて」という名誉の殺人から生きながらえた女性に関する本を読んだが、その時とはまた違う感想を持たざるを得なかった。本書は殺人を犯した男性側を取材したルポであり、そこには「コミュニティにおけるルールに従った」と単純化出来ない事情を伺い知れた。名誉の殺人といえど殺人罪として裁かれるし、結局守ろうとした名誉も崩壊、何より愛する家族を失っている。本書はトルコでも出版されておりその存在自体がこの実態の解決に貢献していると信じたいが本の内容自体には答えも救いもない。あまり皆にオススメ出来る本ではない。
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女性が、尊厳も人権もないように扱われる地域がある。昔々の話 ではない。21世紀の現在でも、女性は男性の所有物として扱われる のが当然と考えられている世界がある。 中東や中近東、アジアの一部で、「正しい道」を踏み外した女性たちが 肉親の男性の手で殺められる世界がある。 ...
女性が、尊厳も人権もないように扱われる地域がある。昔々の話 ではない。21世紀の現在でも、女性は男性の所有物として扱われる のが当然と考えられている世界がある。 中東や中近東、アジアの一部で、「正しい道」を踏み外した女性たちが 肉親の男性の手で殺められる世界がある。 ある少女は市場で異性と言葉を交わしただけで喉を掻き切られた。 ある少女はテレビ局に電話をしただけで父に撃ち殺された。 「家族の名誉」。それは女性の命に優先する。トルコで起こった「名誉の 殺人」についての秀逸なルポルタージュが本書だ。 イスラム圏の女性たちがいかに虐げられているか。被害者である女性 側から語られた作品はいくつかある。本書は被害者側でなく、肉親の 女性を手に懸けた男性へのインタビューを元に、「名誉の殺人」が 行われた経緯を綿密に追っているところが異色だ。 問題は宗教だけにあるのではないと思う。共同体が男たちを殺人へ 向かわせるのではないだろうか。 イスラム圏のみではなく、どんな宗教を持とうが、どんな共同体に 属していようが、「悪い噂」が広まるのは早い。例え、人の口の端に 「不道徳な女」と名前の挙がった女性が、実際には潔白であった としても男性たちは「名誉の殺人」を実行しなければ周囲から 軽蔑されるのだ。 「家族の名誉を守る気概もない男だ」と。 本書にもそんな例がある。周囲から「あばずれ」と噂された少女が 肉親に殺害された後、司法解剖したところ純潔を保っていたことが 判明している。それは少女の美しさへの嫉妬から生まれた根も葉も ない噂に過ぎなかったのだが…。 母を、姉妹を、娘を、手に懸けることでその場では家族の名誉は 守られたかもしれない。だが、手を血で染めた男性たちは現行法 で「殺人者」として裁かれ、刑務所に収監され、残された家族は バラバラになることもしばしばだ。 そして、犯罪者として収監された男性たちは悪夢にうなされたり、 後悔の念に苛まれる。 命より重いものなどないと思う。だが、男性たちは命と名誉の間 で板挟みになっているのではないだろうか。母を、姉妹を、娘を、 自身の手で殺めて幸せになれるはずなんてないんだもの。 家族の手で殺される前に自ら命を絶つ女性も多いと言う。痛いよ、 胸が。 「女に生まれて喜んでくれたのは 菓子屋とドレス屋と女衒と 女たらし」と歌ったのは中島みゆきだった。「娘は災厄をもたらす」。 そんな風に言われる地域がなくなる日は来るんだろうか。 尚、妹を手に懸け殺人罪で服役している兄は、刑務所内の農園の 道に妹の名にちなんだ「ひな菊」を植え、育てていると言う。
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