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国語教科書の闇 新潮新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2013/08/10 |
JAN | 9784106105340 |
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国語教科書の闇
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国語教科書はなぜ「羅生門」「こころ」「舞姫」といった定番小説ばかりなのか。 著者は本書中にて ①1970年改訂の学習指導要領で「主題や要旨を的確にとらえ、それについて自分の考えを深めること」が強調され、比較的主題の捉えやすい前述の3作品が選出されたため ②1990年代以降の少子...
国語教科書はなぜ「羅生門」「こころ」「舞姫」といった定番小説ばかりなのか。 著者は本書中にて ①1970年改訂の学習指導要領で「主題や要旨を的確にとらえ、それについて自分の考えを深めること」が強調され、比較的主題の捉えやすい前述の3作品が選出されたため ②1990年代以降の少子化の影響で〝教科書会社の淘汰〟が起こり、定番小説を外すという挑戦的な編集方針で教材を選定することが極めて困難な状況になったため という2つの理由を挙げている。 また、著者はこの状況を踏まえて、現代の高校生にとっては難解な上、後味が悪く悲惨な結末の作品であるこれらの作品が、子供達の国語嫌いや読書嫌い、ひいては昨今話題になっている読解力の低下を促していると警鐘を鳴らしている。 私も以前まではこの意見に賛成であった。 私自身読書が好きになったのはつい最近であり、その前までは「なんで羅生門なんて読まなきゃいけねえんだよおお(゚Д゚)ゴルァ!!こんなんほぼ古典じゃねえかよおおお(゚Д゚)ウゼェェェ」と思っていた。 周りを見ても国語の授業は寝てるか机の下でスマホをいじっている生徒が大半だった。 こんなことなら本屋大賞作品などもっと中高生に親しみやすい作品を題材にしたほうがいいのではないかと思った。 しかし、本当にそれで現代の若者の国語嫌いや読書離れを改善することができるのだろうか。 たしかに本屋大賞の受賞作品は私達学生にとって幾分親しみやすいものが多いとは思うが、それらをほんの数ページ教科書で扱っただけで世の読書嫌い中高生に読書の魅力をわからせるような優れた作品は残念ながらまだ存在しないと私は思う。 というのも、人の感性は十人十色であり、感銘を受ける作品も人それぞれであるからだ。 人に勧められた本を読んでみたがつまらない、というのもこれが原因であると思う。 それ故、たとえ「羅生門」や「こころ」や「舞姫」を違う作品に変えたとしても、それは国語嫌いや読書離れの根本的解決には至らないのではないか。 また、私のようなものにとっては普段大衆小説ばかり読んでいるため、授業などで半強制的に自分の興味のなかったジャンルのものを読めて逆に嬉しいといったこともある。 何がともあれ、私はこれらのような小説が現代の国語教科書において定番化していることは、特に問題視することでもないと考える。 むしろ若者の読書離れを食い止めるためには我ら図書委員が精力的に活動しなくてはならないのだ…(●´ω`●)ゞエヘヘ
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「羅生門」「こころ」「舞姫」。これらの作品を、授業でどう扱ったらよいか悩ましい。生徒たちに何を教えたらよいのか、模索し続けている。一応「羅生門」では小説の型を、「こころ」では利己心と罪悪感を、「舞姫」では社会と自己の葛藤を、教えることにはしているが。 著者は、これらの作品がほ...
「羅生門」「こころ」「舞姫」。これらの作品を、授業でどう扱ったらよいか悩ましい。生徒たちに何を教えたらよいのか、模索し続けている。一応「羅生門」では小説の型を、「こころ」では利己心と罪悪感を、「舞姫」では社会と自己の葛藤を、教えることにはしているが。 著者は、これらの作品がほとんどの教科書に掲載されていることを批判的にとらえている。掲載の意図はあるにせよ、それが生徒に伝わっていない、国語嫌いを生産するばかりで教科書にはふさわしくないものだ、と。 これかの作品がふさわしいかどうか、私の中ではまだ答えは出ていない。しかしこれだけ多くの教科書に採録されるのには意味があり、自分がそれを明確に理解できていないだけではないか、とも思ってしまう(教科書に載る作品はすばらしい、という思想に近い危険な発想ではあるが)。著者は1人の教科書編集者にしか話を聞いていないが、もっと多くの教科書編集者の話を聞いてみたいものである。また、新学習指導要領に則った新しい教科書はどのような編集になるのか、興味深い。
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高校1年で「羅生門」、2年で「山月記」「こころ」、3年で「舞姫」といった具合にどこの出版社も国語教科書は全くのワンパターン。業界では定番小説などと言われている。元々国語には、現代文であれ古典であれ、これでなくてはならない作品などは存在せず、「羅生門」や「こころ」がなくとも教科書検...
高校1年で「羅生門」、2年で「山月記」「こころ」、3年で「舞姫」といった具合にどこの出版社も国語教科書は全くのワンパターン。業界では定番小説などと言われている。元々国語には、現代文であれ古典であれ、これでなくてはならない作品などは存在せず、「羅生門」や「こころ」がなくとも教科書検定で不合格になることはない。そこには出版界の摩訶不思議な裏事情がある。興味深い真実が一つひとつ詳らかにされていく。今後の国語教育はいかがあるべきか。深く考察させられた。
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