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「山月記」はなぜ国民教材となったのか
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 大修館書店 |
発売年月日 | 2013/07/31 |
JAN | 9784469222326 |
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「山月記」はなぜ国民教材となったのか
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『山月記』を通じた国語教育学研究の学説史、とも言える一冊。敗戦直後の『山月記』教材化が「学習者の言語経験を豊かにする」ことを目指すものだったことに着目、「教材中心」型読解授業の相対化を主張する。『山月記』における「人間性」の扱われ方に注目し、「国民文学」論争時に性急な政治主義と...
『山月記』を通じた国語教育学研究の学説史、とも言える一冊。敗戦直後の『山月記』教材化が「学習者の言語経験を豊かにする」ことを目指すものだったことに着目、「教材中心」型読解授業の相対化を主張する。『山月記』における「人間性」の扱われ方に注目し、「国民文学」論争時に性急な政治主義と距離を置いた増淵恒吉の教育観が、科目「現代国語」の登場と1960年代の高校大衆化=高度経済成長の時代に見合うかたちへと展開されていった、という見立ては勉強になった。
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2019.3.2市立図書館 「山月記」が高校の定番教材になった経緯をあきらかにするべく、戦後からの学習指導要領や教科書編集の変遷、授業技術のトレンドなど国語教育に関わるさまざまな動きが検証されていて、国語教育、文学教育について、初めて知ることも多くおどろかされたり感心したりしなが...
2019.3.2市立図書館 「山月記」が高校の定番教材になった経緯をあきらかにするべく、戦後からの学習指導要領や教科書編集の変遷、授業技術のトレンドなど国語教育に関わるさまざまな動きが検証されていて、国語教育、文学教育について、初めて知ることも多くおどろかされたり感心したりしながらあらためて考えさせられる。 かつての学習指導要領や授業技術の「教科書は一資料」「自主的自発的学び」などの発想には今に通じる新しさを感じるが、それを着実に実践にうつせたのは一握りの優秀な教師(とそれ相応のレベルの教室)だけで、しかも受験や社会からの要請に答えようとするうちにけっきょく大多数は理想からは遠い指導書をなぞった授業に落ち着いてしまうのだろうと思った。(今も昔も、国語科に限らず) 一般的な国語の先生のやりがいの種類(文学を通じた生徒の成長)が自分にとってはかなり予想外で、でもなるほど新しい学習指導要領(高校の論理国語と文学国語とか)や教科書に採用される作品について危機感を募らせるのも道理だなと納得できるものではあった(現代国語=現国が導入されたときの動揺の記述が、ちょうど今と似ている気がした)。 ただ、小中学校の義務教育の段階で基礎的な読解力を養った上での(後期)中等教育と考えれば、引き続きその路線でもいいかもしれないが、現実には学力がつかないまま義務教育終了扱いになって、勉強をするためというより就職の前提として進学してくる生徒も少なくはないのが現実である。本が読める人しか進学しなかった時代とは生徒の質がまったく違うのははっきりしている。またこの先は非日本語母語話者が学習言語として日本語を鍛えなければならないようなケースも増えてくる。 このような現状では、子供の頃から本(文学)に親しみ大学の国文科や教育学部を出て国語の教員になるような人の「当たり前」や「文学への期待」の感覚はたぶん全体で見ればマイノリティであり、その独善が通じない時代になったという覚醒が必要な気がした。
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なんかディルタイの解釈学だのオースティンの言語行為論だのでてきてたいへんなことになっているが、なるほど高校国語もその教材もいろいろ考えられている。やっぱり高級文学教えたいわよねえ。
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