ムコシュウト問題 現代の結婚論

小谷野敦【著】

• 販売会社／発売会社: 弘文堂
• 発売年月日: 2013/07/27
• JAN: 9784335551574

商品レビュー

2016/09/20

東大卒でもこじらせてる人はいるんだ…というのが中卒（高校中退）の率直な感想。こういう人は芥川賞か三島由紀夫賞を獲ったらあっさり屈託や鬱屈が解消しそう。

面白いけど、自虐のところだけね。特にネットで知り合った女性との赤裸々なくだり。

この人が編んだ「童貞小説集」のアンソロジーしか読んでないので、図書館でなら小説読んでもいいかな。

ネットで時々地雷踏んで炎上してる人、というイメージは変わらず。「言動で出逢いを逃してきただけじゃ？」というツッコミが消えない。

阿川佐和子と阿川弘之を例えに「自分が生きてる間は子供を結婚させない親」を話題に引き出してきて、背筋が凍った。

文士や政治家以外にも、知り合いにいそうで戦慄。イヤすぎる…。これを知っただけで、読んだ価値がありました。

『独身男は「セックス・アンド・ザ・シティ」を見とけ』ってのも超具体的でナイスな助言。北方謙三の人生相談に触れてる辺りも含む所がありそう(笑)。

何だかんだ言って、自分の恥部をさらけ出すところには好感持てましたね。その割に自分の配偶者の父親について書いてない！

図書館で偶然見付けて借りたので、拾い物でした。私立文系、サブカル系独身男性は必読、と一応誉めておく。１６２０円は微妙に高いかな。ブックオフとかで半額以下ならおススメ。

追記　2021年8月27日に再読したら、あら不思議！　内容がストンと腑に落ちて、頭に入ってきた。
初読時が嘘のように拒絶反応がなく、まるで憑き物が落ちたかのようにするすると理解できてしまったw
要は、物言いが率直すぎるんだと思う。

2013/08/11

小谷野敦の本は、どれを読んでも厭な感じがするのに、最後まで読ませるので、ときどき読んでしまう。
これも図書館にあったので読んでしまった。
自分の得意分野（文学、歌舞伎、相撲、歴史）における婿舅をただだらだらと書いただけ。その知識の量には感心するけど、あくまで知ってることを本にしただけで、この本のために何か新たに研究したという感じはまったくしない。あまり知らない分野（リストとワーグナーなんか）はもう少し調べて書いたら？と思う。
そして巻末に、誰が一体知りたいのかと思うような著者自身のネット婚活の話が載っていて、非常に気持ち悪い。
だいたいタイトルが「ムコシュウト」なんだから、自分のことを書きたいんなら、せめて自分の「ムコシュウト」について書けばいいのに、なんでこうなるか。読後感最悪。