ダイスをころがせ！(下) 講談社文庫

真保裕一【著】

• 販売会社／発売会社: 講談社
• 発売年月日: 2013/07/12
• JAN: 9784062776004

商品レビュー

2023/05/29

政治をどうにかして変えていかないといけないと選挙に挑む姿にとても感心してしまった。最近選挙に行けてないので少し反省しました。政党に有利な法律もどうにかして変えられないのか、支出に対しての透明性をもっと追求出来たら良いのにと考えさせられた。

2022/08/07

結果は問題ではない。
結果に向け懸命に挑む過程が大切なんだ。
そんな声が聞こえてきそうなラスト。
選挙は結果がすべてといいながら、
結果を待つ仲間たちの顔は晴れやかだ。
結果がどうであれ、
関わったメンバーそれぞれに多くのものを残す。
それがいいか悪いかは別として。

それにしても政治家を目指す友人の志の高さ、
まっすぐさ、懐の広さには驚かされる。
ある種、固定されたその友人の周りで、
主人公やその仲間たちは揺れまくり、
無様な格好をこれでもかと見せる。
それが人生なんだろうな。
昔の恋に引きずられ、
家族の絆に板挟みになり、
初めての選挙にあたふたする。
打算に走りかけ、裏切りを疑い、
怒りで周りが見えなくなる。
それでも一歩ずつ進む。

向こう見ずな僕でも、
さすがに選挙に出ようとは思わない。
でもどんな事業でも、自分でやろうとすると、
こんな風になるんだろうなと想像させられる。
友人同士で起業して、会社を大きくしていく。
小さな会社が成功する。
組織が生まれる。
同じような日々がそこにはあるかもしれない。
高揚と緊張、眩い光の中を走り続けるような時間。
焼けつく日々は、
彼らの人生をどう変えたのだろう。

2020/03/17

選挙に行かねば！と思える作品だった。

かつては高校生だった30代半ばの登場人物達も、今は家庭を持ち、社会の波に揉まれて悩みながら、でも志を共に突き進む熱い青春ドラマを繰り広げる良作。

真保裕一は3作目で、これまではアクションものだったがこんな作風も書けるのかという新たな驚きを発見できた。
また、選挙活動の背景などを徹底調査してる事がこの作品に現実味を持たせて、有権者に向けたメッセージも読み取る事ができた。
（上下巻同じ感想文）