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イースタリーのエレジー 新潮クレスト・ブックス
定価 ¥2,090
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2013/06/27 |
JAN | 9784105901028 |
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イースタリーのエレジー
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イースタリーのエレジー
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商品レビュー
3.6
6件のお客様レビュー
ザンビアで生まれ、ジンバブエの大学を卒業後にオーストリアやイギリスに留学、ジュネーブの国際機関で働いていた事もある作家の処女作。独立運動後、長らく続く独裁政権により汚職が蔓延、紙幣は紙屑も同然のハイパーインフレが常態化。そんなジンバブエでの人々の営みを、13作の短編を通して諦念と...
ザンビアで生まれ、ジンバブエの大学を卒業後にオーストリアやイギリスに留学、ジュネーブの国際機関で働いていた事もある作家の処女作。独立運動後、長らく続く独裁政権により汚職が蔓延、紙幣は紙屑も同然のハイパーインフレが常態化。そんなジンバブエでの人々の営みを、13作の短編を通して諦念と笑いを交えながら描く。「ひび割れたピンク色の唇」が症状として表れる「あの病気」や、当たり前に握らされる袖の下など日本では見慣れない光景もあるものの、気付かされるのは人間の圧倒的な普遍性。持つ者持たざる者がそれぞれ抱える嫉妬も愛慕の情も、読者の誰もが一度は感じた事があるものばかり。愚かな兄弟と欲深い親族という血の繋がりに頭を抱える「ロンドンみやげ」と、単なる主従関係をも超越した、愛憎混じった腐れ縁が微笑ましい「ジュリアーナ叔母さんのインド人」が好きだった。幸も不幸も飲み込んだ人生という歯車は、世界中で今日も回り続ける。
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短編集。表題作「イースタリーのエレジー」がいい。ブルドーザーで根こそぎに畳みつぶされるスラムの生き死にが、哀切。 ジンバブエの破滅的な政治経済状況が、全編を通して描かれる。この国の21世紀といえば、他に例のないインフレ率が有名。その部分をどう作品に織り交ぜるかは興味を呼ぶところだ...
短編集。表題作「イースタリーのエレジー」がいい。ブルドーザーで根こそぎに畳みつぶされるスラムの生き死にが、哀切。 ジンバブエの破滅的な政治経済状況が、全編を通して描かれる。この国の21世紀といえば、他に例のないインフレ率が有名。その部分をどう作品に織り交ぜるかは興味を呼ぶところだが、乾いた笑いに変えてある。作者の技量であろう。 いかんともし難く軽い人間の命の価値が、忍び込ませたユーモアとともに描かれる。強い物語。
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ジンバブエを舞台にした短編集。正直なところ、どういうところなのか全く知識がない。アフリカにあるということだけで、その歴史も、街並みも、人々の服装も、街を歩く人種も、恥ずかしながら、知らない。 それほどまでに私の日常からかけ離れた国の話であるのに、どの話もなんと愛おしく、身につまさ...
ジンバブエを舞台にした短編集。正直なところ、どういうところなのか全く知識がない。アフリカにあるということだけで、その歴史も、街並みも、人々の服装も、街を歩く人種も、恥ずかしながら、知らない。 それほどまでに私の日常からかけ離れた国の話であるのに、どの話もなんと愛おしく、身につまされることか。 想像すらつかない国の物語を読もうと思ったのは、訳者が小川高義氏であるからにほかならない。 在米のインド人社会、というこれまた日本人には縁遠い物語を描くジュンパ・ラヒリがこの国でこれほどまでに人気が高いのは小川氏のうつくしい訳文によるところが大きいはずだ。 この本でもまた、「遠い国の人々を身近に感じさせる物語にしなければ、ガッパを訳したことにはならない」と訳者があとがきで記した試みは成功している。ガッパは小川氏を日本語の翻訳者として得たことを、大きな幸運として受け取るべきだ。
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