ムーンズエンド荘の殺人 創元推理文庫

エリックキース【著】, 森沢くみ子【訳】

• 販売会社／発売会社: 東京創元社
• 発売年月日: 2013/06/22
• JAN: 9784488252038

商品レビュー

2023/07/15

雪山山荘版の「そして誰もいなくなった」と裏表紙にも書かれているため、話の展開に関しては予想がつくものとなっています。
登場人物が次々と殺されていくため、あっさりした殺人シーンもありますが、そこは仕方ないのかとは思われます。
登場人物の繋がりが、元々探偵学校関係者という設定ですが、後々になって殺人現場や死体調査の場面では、もっとしっかり調べておこうよ、探偵学校出身でしょ?と思ってしまうため、違う設定でも良かったのではないかと。
楽しくは読めましたが、あまりメジャーな作品とはなっていないことからも、ボリューム不足感は感じました。

2019/09/29

探偵学校の卒業生に、校長の別荘での同窓会の招待状が送られた。吊橋で外部と繋がるその別荘で、彼らが発見したのは意外な人物の死体だった。そして、外部と繋がる吊り橋も爆破され閉じ込められた卒業生たち。次々に起こる殺人事件。過去と現在の事件の秘密。

んーカッコいい主人公は、最後までカッコいいという印象。

2019.9.29 読了

2016/05/24

洋書の本格モノと言うのは少ないと思っていた。
本書は設定からもわかるように「そして誰もいなくなった」パターン（下地にした？）の孤島モノ。
孤立した洋館に集められた人々が、一人また一人と殺されていくというお馴染みの展開。
ただこの作品の非凡なのは、通常この手の作品は完全に三人称か一人称で描かれることが多いのに、今作は複数の一人称で描かれている。つまり叙述トリックがないと登場人物の中に犯人がいないことになるのだが…。
それを、10人目の人物を入れ替え、と言うトリックで登場させることで見事に解決している。
しかも密室殺人まであってガジェット満載。
序盤の錯綜した（本編にあまり関係が無い事件を巡る）人間関係や細切れの一人称でのキャラ紹介はもたつくが、最初の殺人からは展開が早くなり、中盤で犯人は分かるものの、ラストの謎解きまで十分に楽しむことが出来た。
日本の本格ほどゴリゴリのロジックで固められていないが、これはこれで良く出来ている。次回作に期待。