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鯰絵 民俗的想像力の世界 岩波文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2013/06/17 |
JAN | 9784003422717 |
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鯰絵
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鯰絵
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第1部 鯰絵への招待 第1章 鯰絵 第2章 伝説 第3章 破壊者―救済者としての鯰 第2部 さまざまなテーマ 第1章 はじめに 第2章 石と鯰 第3章 瓢箪鯰 第4章 テーマの構造 第3部 隠された意味 第1章 テーマ・シンボル・構造 第2章 ...
第1部 鯰絵への招待 第1章 鯰絵 第2章 伝説 第3章 破壊者―救済者としての鯰 第2部 さまざまなテーマ 第1章 はじめに 第2章 石と鯰 第3章 瓢箪鯰 第4章 テーマの構造 第3部 隠された意味 第1章 テーマ・シンボル・構造 第2章 危機的出来事としての地震 参考文献
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絶版だったが気になっていた本が文庫で再版されたのでさっそく読んでみた。分量も多いし、元々は1964年の学術論文だということで晦渋な書きぶりに苦戦した。それに構造主義民族学というやつもヤッパリ訳が分からん。ただ図版が多いのは良かった。 1855年(安政2年)の旧暦10月2日夜にお...
絶版だったが気になっていた本が文庫で再版されたのでさっそく読んでみた。分量も多いし、元々は1964年の学術論文だということで晦渋な書きぶりに苦戦した。それに構造主義民族学というやつもヤッパリ訳が分からん。ただ図版が多いのは良かった。 1855年(安政2年)の旧暦10月2日夜におきた安政地震は江戸にも大きな被害をもたらした。その直後から、作者不詳・版元不詳の鯰絵が市中に大量に出回った。ユーモラスな図柄の中に、この地震を「世直し」と捉えたモチーフなどが多く見られる。 さて、これをアウエンハント先生は、江戸と言う都会にも田舎の民俗的信仰が深く影響しているとして、鹿島信仰、水神信仰、エビス信仰など古事記の世界にまで遡るような深層をたどって分析していく。 たしかに鹿島信仰等々の影響は明らかだとしても、ワタクシなぞが思うには、もっと当時の江戸の庶民生活に焦点を当ててやらないと何だか訳が分からない(これは解説にも、当時はまだ江戸時代研究が不十分であったとして付言されている)。大工、左官が地震で儲かる層として描かれたりなど、もっともっと俗っぽい所に鯰絵の魅力が多く含まれていると思うのだよね。民俗信仰的な要素もあれど、もっと諧謔を楽しむ江戸の都市文化の申し子として鯰絵を切り口にしてくれれば。古事記の世界まで行ってしまうのは、そういう意味でやや肩透かし。 あと個人的には熊本県の地名「鯰」の由来を知れたのが面白かった。阿蘇で国つ神にちょん切られた大鯰が流れ着いた地との伝説があったとは。 蛭子=エビス=少名毘古那は「小さな不具の神」、トリックスターという共通点を持ち、そのエビス複合が水界=常世観念に結びつくという説も面白く読んだ。
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文庫になったのを知って再読したのだけれど、昔気付かなかった新たな刺激に満ちた本だった。百太夫、恵比寿、細男の舞、いろんなものが星雲状に回転しつつある。
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