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青い花
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青い花

辺見庸【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 角川書店/角川グループホールディングス
発売年月日 2013/06/03
JAN 9784041104620

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商品レビュー

3.8

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2025/01/15
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※このレビューにはネタバレを含みます

「あいつぐ大震災と戦火で、恋も家族も未来も、すべてをうしない鉄路を彷徨う男」の一人語り。現代黙示小説ということだが、たしかに全体がメタファーで難しい。ガルシンの有名な「赤い花」も精神病患者が強迫観念に駆られて赤い花を摘もうとする話だったと思うが、青い花というのも聖カエルム病院なる精神病院の前に咲いている、現実にはありえないはずの色をした青いコスモスである。主人公が求める覚醒剤のような薬ポラノンも青い。正気と狂気は表裏一体で、人間は皆たがっている=狂っている。正気ではやっていられない、狂っていなければやっていられない世界ということか、いや人間は皆狂っているのが常態ということか。 ハーケンクロイツをつけた安倍晋三が出てきたり、民衆を下に見る保守派、国粋主義的で戦前を突き進む現状を明示的に戦争として描く一方で、左派は左派で、コンプライアンスやPCや反原発を掲げ死刑を推進する悪として描かれている気がして、結局両極端のどちらにも救いはない。人間は榾で粗朶。本質など存在しない。叔父やきょうこや、狂っている人の中にこそ、主人公が守るべきものや愛すべきものが見出されていく。 大震災、津波、原発事故、戦禍、実際に起こったものもこの小説の中で追加されているようなものも、いや、実際はないように見えて、筆者には今が戦時に見えていてそれは紛れもない事実なのかもしれない。いずれにしてもそのどこにおいても人間は脆くすぐに名もなき屍体、骨に纏わる榾、土塊になってしまうような存在で、私は最近そんなことをよく思うので、やっぱりそうだよなと怖いような、虚無感のようなものを覚えた。

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2018/12/17

震災、戦争をへた日本の福島当たりと思われる場所をひたすら歩く主人公の一人がたりが続く。あっちこっち飛び回る思考と過去や現在をぐるぐる巡りながらだんだん薬物の禁断症状のスピードを迎え、幻覚がもたらす透徹な思考がドドドと溢れ出す。 今からの私等の姿を見ているよう。 ほんの少しだけ、作...

震災、戦争をへた日本の福島当たりと思われる場所をひたすら歩く主人公の一人がたりが続く。あっちこっち飛び回る思考と過去や現在をぐるぐる巡りながらだんだん薬物の禁断症状のスピードを迎え、幻覚がもたらす透徹な思考がドドドと溢れ出す。 今からの私等の姿を見ているよう。 ほんの少しだけ、作者からの希望がもたらされるが、それを貫くのは読み手に委ねられている。

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2018/11/18

舞台は近未来。大きな震災と戦火で、恋人も家族もすべて失った男が線路脇を歩きながら語り続ける。クスリを求めてさまようその態は狂人そのもの。読むことに疲労感すら覚える。しかし、読み進むにつれ、狂っているのは彼ではなく、彼を含めた我々日本人を取り巻く現代文明なのでは、という気がしてくる...

舞台は近未来。大きな震災と戦火で、恋人も家族もすべて失った男が線路脇を歩きながら語り続ける。クスリを求めてさまようその態は狂人そのもの。読むことに疲労感すら覚える。しかし、読み進むにつれ、狂っているのは彼ではなく、彼を含めた我々日本人を取り巻く現代文明なのでは、という気がしてくる。震災の被害を拡大させたのは誰だったか。直接の言及はなくとも、あの大震災に想いをよせずにはいられない。 強烈なブラックユーモアも交えつつ進む不思議な物語は、小説の形態を取っているが、これは文明論でもあり、哲学論でもある。辺見庸、恐るべし。

Posted by ブクログ

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