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島はぼくらと
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島はぼくらと
¥220
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商品レビュー
4.2
477件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
息子が、高校の図書室から借りてきた本。 この4人と、ちょっと似た環境で育った彼は、どんな感想を持ったんだろうと思いながら読んだ。 私が住む地域は、まちの隅っこの、農村地帯。小学校も小さくて、学芸会の劇は全校児童でやるから、先生が脚本を書いたり直したりするのはあるあるだ。 中学校にはスクールバスで通う。部活が終わると、帰りのスクールバスはもう出た後で、親が迎えに行くのが基本。 高校も、送迎するか下宿するかの2択だから、中学卒業と同時に家を出ることは珍しいことではない。 毎日お弁当をつくって送迎して1日が終わるような日々だけど、それができるのは贅沢なことなのかもしれないと思ったりする。 この本の4人は、島の暮らしを捨てたいわけでも抗うわけでもなく、そういうものとして受け止めている。家から通える高校はひとつだけで、その後出ていくのは当たり前のこと。そして衣花が残るのも当たり前のこと。 衣花が、島を出たいとは思わないって書かれているのがすごくいいなって思う。憧れて出ていってやっぱり帰ってきた、じゃなくて島を愛しているというのが、とてもいい。 田舎のいいところもダメなところ、どうにもならないところも、全部書いてあると思った。 特に刺さったのはヨシノの台詞。 「女が田舎で生きていくのに、おじさんたちにへこたれてたら何もできない」 ここ、もう二重線引きたい、テストに出ます。 女の生き方、生きづらさは、このはなしのひとつの主題で、だから、ラストが衣花と新の結婚(あるいは朱里と源樹の)とかじゃなくて、朱里の帰りを迎える衣花、だったのがとても、とても好き。
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本作も大当たり!辻村さんファンなので、評価と感想が当てにならないかもしれません笑 何気ない日常の物語なのに、伏線が張られていて、それがいつの間にか回収されていく。心地よい作品です!
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瀬戸内海の小さな島。「田舎のおっさん」が昔ながらのやり方でしきりつつ、歯に衣着せぬおばちゃんたちがあれこれと世話を焼く、身内にやさしくよそ者には少し冷たい、「ザ・田舎」。 その中で育ってきた、たった4人の同級生は本土の高校へフェリーで通っています。最終便に間に合うために部活動に...
瀬戸内海の小さな島。「田舎のおっさん」が昔ながらのやり方でしきりつつ、歯に衣着せぬおばちゃんたちがあれこれと世話を焼く、身内にやさしくよそ者には少し冷たい、「ザ・田舎」。 その中で育ってきた、たった4人の同級生は本土の高校へフェリーで通っています。最終便に間に合うために部活動に入ることもできませんが、島全体を「家族」のように思って過ごしてきました。 昔は日本全国にあった「地域のコミュティ」が色濃く残る舞台は、自分では経験したことがなくとも「なつかしさ」を感じます。濃密で閉鎖的な社会だからこそ起こるトラブルもありますが、その密な関係に救われることも多くあります。不器用ながら、相手一人ひとりと真剣に向き合う島民たちの関係性にも少し憧れます(実際には面倒くさいしがらみも多々ありそうですが)。4人の、そして島の将来に希望を感じさせるエンディングで読後感も爽やかです。
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