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暗殺国家ロシア 消されたジャーナリストを追う 新潮文庫
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暗殺国家ロシア 消されたジャーナリストを追う 新潮文庫

福田ますみ【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2013/05/28
JAN 9784101311821

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暗殺国家ロシア

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商品レビュー

3.7

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2024/08/15

 ロシアの大手新聞社「コムソモーリスカヤプラウダ」のタブロイド化に、50名余りの記者が反対した。そこで1993年、これらの人たちが結成して創刊したのが「ノーバヤガゼータ」である。民主主義、言論の自由、基本的人権の尊重の重視、また一般市民や弱者の立場に寄り添って報道するという、ロシ...

 ロシアの大手新聞社「コムソモーリスカヤプラウダ」のタブロイド化に、50名余りの記者が反対した。そこで1993年、これらの人たちが結成して創刊したのが「ノーバヤガゼータ」である。民主主義、言論の自由、基本的人権の尊重の重視、また一般市民や弱者の立場に寄り添って報道するという、ロシア国内では珍しいリベラルな論調で、インテリ層に向けた新聞である。  ソ連時代において、党や政府の機関紙であった新聞、雑誌の大半はソ連崩壊を機に厳しい検閲から解放された。ただしその代わりに、政府の補助金はなくなり、独立採算制となった。その後、エリツィンが政権を担って市場経済を導入してから、ハイパーインフレが起きた。その影響でさまざまなものの費用が高騰して、貧困層は購読する余裕がなくなった。その状況下でインターネットが普及したことで、一気に新聞離れが加速した。その為、多くのメディアはオルガルヒや政府系企業に買収されることにした。しかしこの道を選んだことで、報道の自由はかえって制限された。特にプーチン以降、国益を害する報道、国外のプロパガンダをロシアに浸透する報道に対しては厳しかった。それでもノーバヤガゼータはこれらに飲み込まれることなく、なんとか独立を保てた。

Posted by ブクログ

2022/10/12

ロシアにおいて、政権批判をするマスメディアが政権から弾圧され、プーチンが大統領に就任した2000年~2009年までに120人を超える多くのジャーナリストが抹殺され(白昼堂々と射殺されたり、不可解な事故に遭遇したり、行方不明になったり)ている実情を、政権からの圧力に抵抗し続ける新聞...

ロシアにおいて、政権批判をするマスメディアが政権から弾圧され、プーチンが大統領に就任した2000年~2009年までに120人を超える多くのジャーナリストが抹殺され(白昼堂々と射殺されたり、不可解な事故に遭遇したり、行方不明になったり)ている実情を、政権からの圧力に抵抗し続ける新聞社「ノーバヤガゼータ」の関係者への取材を基に描くノンフィクション。 本書で描かれる内容は、政権にダメージを与える内容の記事を書いたジャーナリストへの圧力や、マスメディアへの露骨な介入、など欧米・日本など報道の自由がある程度確保されている国の常識からは想像もできない酷いものです。本書自体は、2010年の出版で現在のロシアの状況を描いているわけではありません。しかしプーチンが大統領になってマスメディアを容赦なく締め上げる様子は、おそらくウクライナへの侵攻によってより一層激しくなっているだろうと容易に推測できます。 犯人を特定できて報道しようにも、政権に傷を負わせる内容だったら政権から恫喝される、マスメディアの大株主であり、政権の後ろ盾となっているオリガルヒ(新興財閥)から露骨に報道内容の介入がある、警察も国家権力に媚びて調査内容を捏造する…。本書を読んでいると現在のロシアの人々は”本当に”プーチンを支持しているのか、指示しているふりをしなければ身に危険が及ぶと考えているのか、私自身もニュースを見る時の視点が本書を読む前と後では少し変化したように感じます。

Posted by ブクログ

2016/05/30

 ソ連時代は過去のもの、とぼんやり考えていたことが間違いであることを痛感させられます。  正しくあるべき、市民の安全を守るための権力が、もっと大きな権力の下で恣意的に行動したらどんなことになるか、この本を読めば想像することができるでしょう。怖くならない人はいないと思います。   ...

 ソ連時代は過去のもの、とぼんやり考えていたことが間違いであることを痛感させられます。  正しくあるべき、市民の安全を守るための権力が、もっと大きな権力の下で恣意的に行動したらどんなことになるか、この本を読めば想像することができるでしょう。怖くならない人はいないと思います。    サミットの警備も、種々の「警戒」活動にしても、自分がその標的になるとは思わないから警察官の姿が「安心」につながります。でも、いわれのない罪で自分が対象になりうると考えたら、景色は一変して、不安と疑心が体を覆うことは避けられないはずです。    こんな題材に切り込んで著者は大丈夫なのだろうか、と思わずにはいられません。

Posted by ブクログ

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