新選組謎とき88話

菊地明【著】

• 販売会社／発売会社: PHPエディターズグループ/PHP研究所
• 発売年月日: 2013/05/15
• JAN: 9784569812601

商品レビュー

2014/12/30

定説を再考し、今までに新しく発掘された資料から詳しく確認しているのが主です。でも大事件という訳でもない、ちょっと見逃してしまうような事柄を扱ったものも多いです。
例えば「『豊玉発句集』の巻頭句は自作ではなかった」「お婆さんが土方にぼた餅をあげたエピソードはいつの事か」「沖田が近藤勇の義弟だったのか」など、「新選組」の歴史としては直接関わりのない話も多いです。それだけにかえって面白く、ひとつひとつが長くもないので、気ままにめくって楽しむにはちょうどいい本でした。
「八木家の表札」「野村利三郎の最期」も興味深かったですが、「沖田総司の絶命の地」が、グーグルアース並みにピンポイント特定です。

2014/10/01

読むだけで、一苦労でした。１話目からすでになじみの薄いと思われる名前のオンパレード。新選組初心者の方にはちょっと難解かと思います。新選組にまつわる様々なバックボーンも頭に入っていた方が楽しめる本ですね。最初のうちは、ちょっと読むのに苦労したのですが、最後のあたりになって、函館に渡ってからの土方さんの謎になると一気に読めました。全部の謎解きがあっているとは思っていませんが、謎解きの元になった、出典元がちゃんと書いてあるので、信憑性はそれなりに高いのかもしれません。

2013/06/05

著者があとがきで書いているように、新選組の通史がわかっている読者向け。新選組に関わる基本知識に関する解説はありません。その上でち、沖田総司が近藤勇の義弟だった可能性とか、豊玉発句集の巻頭句が土方歳三オリジナルではないとか、斎藤一の誠義発言がどの時点でのものだったか推定するとか、箱館の一本木関門があった地点をより詳しく推定するとか、マニアックだけど最新の史料などにもとづく仮説展開が楽しい一冊です。