貧乏お嬢さま、メイドになる 英国王妃の事件ファイル 1 コージーブックス

リースボウエン【著】, 古川奈々子【訳】

• 販売会社／発売会社: 原書房
• 発売年月日: 2013/05/11
• JAN: 9784562060153

商品レビュー

2023/07/11

シリーズで並んでるタイトルを見て気になったのでまずは1作めから読んでみる。「お嬢様」は34番目とはいえ王位継承者のジョージアナで貧乏公爵家の娘。結婚から逃げるように領地からロンドンへ出てきて、友人の勧めもあって新聞にメイド派遣の広告を載せ自身が出張する（この作中では仕事自体は少ない）。火の付け方も知らなかったが平民側の祖父などの助けを得て少しづつ自立していくようになる。被害に遭うのが主人公のタイプのミステリーで、以前離婚した母の相手の遺産問題に巻き込まれることに。

1900〜1920年代ごろの設定なのでおそらく（観たことない上でいうが）「ダウントン・アビー」にかなり近い状態だと思う。王室に呼ばれた際のマナーや他家に招待されたときの振る舞いなどを読めるのが楽しい。

2022/08/18

英国王妃の事件ファイル１作目▼英国王位継承権34番目の公爵令嬢ジョージ―は、スコットランドの古城で義兄夫婦との貧窮生活。魚顔の王子との縁談は嫌だとロンドンに逃げだすもののメイドのいない生活に四苦八苦。屋敷の浴槽に死体？▲1932年の傾きつつある英国というナイスな時代背景、このままでは老王女の侍女にされてしまう、自立系脱出話です。父方は累代の元男爵家で王族を嫁取った公爵家、母は庶民上がりの元女優でいまではセレブとの浮名を流す元公爵夫人。ドタバタでロマンチッククコメディーなコージーミステリーです（2007年）

2022/01/21

軽く読めるけれど、公爵令嬢ジョージーがロンドンでの一人暮らしに四苦八苦する描写は結構シビア。衣食住において、いかに自分が守られてきたかと実感するあたりは切なくなる。1930年代の貴族は生活するだけでも大変だったんだろう。その中でも兄のビンキーが、のほほんとしていて面白い。実在のシンプソン夫人の辛辣な描かれ方（はっきりいって悪役）は、イギリス人の共通認識？堂々と小説となっているのがすごい。