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中国人の論理学 ちくま学芸文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2013/04/12 |
JAN | 9784480095374 |
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中国人の論理学
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3.5
2件のお客様レビュー
古代から現代にいたるまでの中国思想史において、論理学がどのようなかたちで考察されてきたのか、その特色はどこにあるのかといったテーマが論じられている本です。 著者はまず、中国の人びとの思考を規定している漢字および漢文の特色についての考察をおこない、個々の漢字によって表現される概念...
古代から現代にいたるまでの中国思想史において、論理学がどのようなかたちで考察されてきたのか、その特色はどこにあるのかといったテーマが論じられている本です。 著者はまず、中国の人びとの思考を規定している漢字および漢文の特色についての考察をおこない、個々の漢字によって表現される概念が具体的な「物」として把握されるという傾向を示すという指摘がなされます。つづいて著者は、古代中国思想史に目を向け、上で論じたような思考の傾向が、「名」より「実」を重視する立場につながることが論じられます。 さらに著者は、従来たんなる詭弁にすぎないと目されてきた公孫竜の白馬非馬説をとりあげ、それが形式論理学とは異なる意味および認識についての主張であったことを明らかにしつつ、法家の実念論的な立場が古代中国の政治的・社会的状況とどのように結びついていたのかということについても論じています。さらに著者は、同様の観点から現代中国思想にも目を向け、マルクス主義および毛沢東主義の影響のもとでの形式論理学と弁証法論理学の対立が、中国の政治的・社会的状況と密接な関係をもっているということを説き明かしています。 タイトルの「論理学」ということばが入っていますが、中国思想史の観点から「中国人の思考」について、いくつかのトピックをえらび出して論じた本といえるように思います。そうしたものとして、興味深く読みました。
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漢字は概念のもとづいて必ず何か意味を表すというところから離れることができない。 言語や事象を表す「詞」(名詩、動詞、形容詞など)と、話し手の判断や立場や心情を表す「辞」(助詞、助動詞など)の2種類に分けると、日本語は後者が豊富で辞を中心としているのに対して、中国語は詞が中心。 辞は話し手のものであり話し手の立場が優先するという発想から、日本人の思考様式には相手の身になってとか、相手をやたらと優先する。 概念語である中国語を基礎とする中国人の思考様式は、一つ一つの概念を精密化しようとする。 歴史は細かく分類し(歴代史書には個人の伝記集「列伝」がある)、古典の注釈が発達し(経学)、行為の善悪を点数に表し(『巧過格』)、美術は描写が線に凝縮される(水墨画)。 生活面では実際主義、実用主義に向かう。 象形文字に端を発した漢字を使う限り、物はすでに在るという素朴実在論的な見方が常となり、ともかくまず物が存在するというところから考えることになる。つまり、物がなぜ存在するのかというようなことを考える存在論は中国人に生まれない。その結果、常にまず物、いわゆる「実」を優先するという発想が生まれ、これが名実のうち「実」優先の思想となる。 日本人は漢字を取り入れたが、語感までは体得できず、表面的な理解にとどまり、漢字本来の意味が薄まった。それを補うものとして話し手の判断や感情を表す助詞、助動詞、活用形といったものが発達した。 日本人は名を優先し(同じ物でも名目によって使い分ける)、なんでも様式化してしまい、「実」はすっ飛んでしまう。中身を問わずに様式化するという思考や行動はこれからも続くだろう。 日本人と中国人の名と実(形式と内容)への捉え方の違いとして、日本人は名を優先して「権威」を重視するのに対し、中国人は実を優先して「権力」を重視する。 実=個人を優先する中国人と、公を優先する日本人。 「日本人は、一人一人は豚であるが、三人集まると龍になる。中国人は一人一人は龍であるが、三人集まると豚になる」
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