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ももクロの美学 「わけのわからなさ」の秘密 廣済堂新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 廣済堂出版 |
発売年月日 | 2013/04/15 |
JAN | 9784331516997 |
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ももクロの美学
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商品レビュー
3.6
22件のお客様レビュー
洋楽のロックをメインに聴いてきた俺が、この齢になって、今年の春、放送された「ホンマでっか!?TV」「はじめてのモモクロ」を観て、すっかりハマってしまった。CDも買い集めてヘヴィロテで聴いているし、ライブ映像はBlu-rayで2010年から順番に集めて、いま2013年まで追いかけて...
洋楽のロックをメインに聴いてきた俺が、この齢になって、今年の春、放送された「ホンマでっか!?TV」「はじめてのモモクロ」を観て、すっかりハマってしまった。CDも買い集めてヘヴィロテで聴いているし、ライブ映像はBlu-rayで2010年から順番に集めて、いま2013年まで追いかけている。著者が引き合いに出す用語からしてチンプンカンプンなのだが、何故ここまで入れ込んでしまうのかを説明したかった熱意は伝わってきた。ただ「ゴチャゴチャ言ってないで、あたしたちと楽しめー!」という煽りが聞こえてくるように思えたw
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分別のある大人が、なぜももクロを好きになるのかという理由を高尚な視点から論じた言い訳本です。 ももクロファンであれば一読をお勧めしますが、何かを好きになるのに理由なんていらない、これが正解のようです。 いや、好きだから好きというのが本当の理由か? 個人的には、ももクロの魅力...
分別のある大人が、なぜももクロを好きになるのかという理由を高尚な視点から論じた言い訳本です。 ももクロファンであれば一読をお勧めしますが、何かを好きになるのに理由なんていらない、これが正解のようです。 いや、好きだから好きというのが本当の理由か? 個人的には、ももクロの魅力は「全力」から来るものだと思う。 大人(運営サイド)からの無理難題を、文句を言いながらも見事に全力でやり切ってしまう、そして、試練の末に必ず何かを得て(自信だとか、ファンとの絆とか)、最後は感動の涙を流す少女たちを放っておけるわけがない。 自分たちの弱さをさらけ出し、それを自虐ネタにするしたたかさとかわいらしさ、本書では「親戚の子みたいな身近さを感じる」と表現していますが、確かに守ってあげたいと思わせる何かを持っています。 実際、彼女たちは自分の欲望に忠実であり、その欲望とアイドルとしての覚悟との間を真剣に悩む姿は、2次元ではない生身の人間として共感できます。 遊園地ロケでジェットコースターが嫌いなれにちゃんは鼻水を流しながら乗らないと駄々をこねたり、テレビ企画での「こってり探検隊」でのあーりんとしおりんはアイドルなのにそこまで食べて大丈夫?と心配するほど後先を考えずに爆食する様などは、もはやお笑いタレント並みのパフォです。(いつも食べ過ぎのあーりは母親から爆食禁止令がでているようですが・・) まあ、これだけなら色物アイドルとしての立ち位置なんでしょうが、本業のライブもすごい。 しかもライブは企画ものが多く、連続公演でも同じ出し物はやらないという徹底ぶりです。 もちろん、彼女たちの全力生歌と激しいダンスにも感動するのですが、特にサイリウムを使ったモノノフとの一体感はコンサート会場に足を運んだ人ならわかりますが、壮絶の一言です。 コンサート開演前には、自作グッズを無料で配ったり、推しメンアイテムを交換したりとファンのコミュニティーが自然にできており、しかも彼らは節度と親しみを失っていません。(みんな笑顔です) ファンがももクロを支え、彼等もまたももクロの頑張りに励まされるという形が成立しているわけです。 そして、他のアイドルグループと決定的に違うのは、ファン層の広さです。 老若男女問わずコンサート会場で一心不乱に応援する光景は感動的ですらあります。 本書で最も感心した分析は、ももクロはセクシー路線を封印することで、男性からのいやらしい目線への媚びがなくなり、オヤジが応援しても気味悪がられない雰囲気を作り、応援という行為がより純粋になる(P146)という指摘です。
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東京大学で美学を講じていた著者が、ももいろクローバーZの魅力について論じた本です。さまざまな美学思想が参照されていますが、それらは基本的には衒学的な「遊び」だとみなすべきでしょう。著者があえて「好きなもの語り」のスタンスにとどまろうとしているところに、むしろ好感を覚えました。 ...
東京大学で美学を講じていた著者が、ももいろクローバーZの魅力について論じた本です。さまざまな美学思想が参照されていますが、それらは基本的には衒学的な「遊び」だとみなすべきでしょう。著者があえて「好きなもの語り」のスタンスにとどまろうとしているところに、むしろ好感を覚えました。 著者は、ももクロの楽曲のうちに日本の芸能史のさまざまな引用がちりばめられていることを指摘しながらも、それらに明確な批評性はなく、「対自的」であるよりもむしろ「即自的」であると指摘します。また、ライヴにおける彼女たちの身体パフォーマンスに引き込まれることで、「セカイ系」から「サヴァイヴ系」への脱出する突破口を示しているところに、ももクロの魅力を見いだそうとしています。こうした議論は、『リトル・ピープルの時代』(幻冬舎)や『日本文化の論点』(ちくま新書)でAKB48について論じた宇野常寛の議論を踏まえたもので、こうした文脈のなかでももクロが論じられることの必然性は理解できます。 ただ、こうした魅力のうちにひそんでいる陥穽にも目を向けるべきではないかという気がします。著者は、丸山眞男が「歴史意識の「古層」」において日本文化の執拗低音である「つぎつぎになりゆくいきおひ」について批判的に論じたことを参照しつつも、ももクロの楽曲や身体パフォーマンスのハイブリッドなありように目を向けることで、丸山の議論に基づく批判を回避しようとしています。ところで、著者がやや唐突にも思えるような仕方で丸山の議論をとりあげているのは、おそらく椹木野衣の「悪い場所」に関する議論に基づく批判が著者のももクロ解釈に対して投げかけられるであろうということを想定したうえでのことだと考えて、ほぼ間違いないでしょう。しかしながら、ポストモダンとプレモダンが直結してしまう「日本という場所」において、批評性を欠いた即自的な自己言及や、ライヴにおける身体的な一体感を手放しで称賛することには、戸惑いを覚えます。
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