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ナチス・ドイツと中国国民政府 一九三三-一九三七
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ナチス・ドイツと中国国民政府 一九三三-一九三七

田嶋信雄【著】

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ナチス・ドイツと中国国民政府 一九三三-一九三七

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 東京大学出版会
発売年月日 2013/03/23
JAN 9784130362443

ナチス・ドイツと中国国民政府

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商品レビュー

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2015/07/23

日中戦争は日独戦争だということを聞いたことがある。第二次上海事変で、日本軍がなかなか上海を落とせなかったのは、中国軍がドイツの軍事顧問をもち、ドイツ製の武器で戦ったからだという。本書を読んでそれが歴史的事実であることを確信した。ではなぜドイツはそのようなことをしたのか。第一次大戦...

日中戦争は日独戦争だということを聞いたことがある。第二次上海事変で、日本軍がなかなか上海を落とせなかったのは、中国軍がドイツの軍事顧問をもち、ドイツ製の武器で戦ったからだという。本書を読んでそれが歴史的事実であることを確信した。ではなぜドイツはそのようなことをしたのか。第一次大戦で負けたドイツは最初ソ連に武器を打っていたそうだが、ソ連との関係がおかしくなると、輸出国を中国に向けた。最初中国には民間の武器商人たちがいたが、のちにナチスドイツは国防省が中心になり、中国に借款を与え、その金で、武器を中国に買わせようとしたのである。中国からの見返りは、南方のタングステンなどのレアメタルであった。ドイツから中国への武器輸出に対しドイツ外務省はベルサイユ条約や対外関係から反対したが、国防省からすればそれは死活問題であった。一つには、武器製造能力を高めて行くにはつねに武器を作ることや輸出していくことが必要であったし、古くなった武器の行き場も大きな問題であった。ドイツは蒋介石たちと対立する広東政府へも働きかけ、武器工場を建設していた。時に二股をかけていたのである。中国はそのための格好の市場であり、多いときには武器輸出量の半分を超えるまでになっていたという。これが最も盛んになるのは中独条約が結ばれる1936年4月以降で、国家挙げての武器輸出が推進された。しかも、これは日中戦争が勃発する1937年7月7日以降も続けられたのだという。それが最終的に停止したのは38年の4月以降のことであった。これには親日派のヒットラーらの圧力があったためである。それにしても、驚くべきことであり、これはドイツでもまた中国でもあまり取り上げられることがなかったものである。本書は、ドイツでの民間武器商人と国家のせめぎあいを丹念に追いかけ記述している。それは時に関係を見失いそうになるので、そうなったときには終章を読んで見るとよい。ここには簡潔なまとめがある。また、最後の武器輸出停止に到るいきさつについては少し説明が足りないように思った。

Posted by ブクログ

2014/04/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

日独防共協定を結んだナチス・ドイツは、その前には蒋介石の中国国民党と連携していた。 北伐によって中国全土を一応統一した蒋介石は、共産党の討伐と日本への抵抗のため、強力な軍事力を欲してドイツに接近。 一方、ナチスによって第一次大戦の敗戦から立ち直り、復興しつつあったドイツは、軍需産業の輸出市場として中国を欲していた。 この両者が軍事・経済によって結びつくという、ある意味当然だった過程が詳述されています。 蒋介石の軍事顧問として有名なゼークト将軍、ハプロ条約締結に暗躍した武器商人・クライン、ドイツ経済を牛耳る経済相兼ライヒスバンク総裁・シャハトなどが、原料供給地としても市場としても巨大な潜在力を秘める中国に目をつけます。 キーワードは、タングステン。 兵器の重要な原料であるタングステンは、当時の中国では世界の半分を産出していた。 蒋介石の国民党を支援する南京プロジェクトと、地方軍閥である西南派を支援する広東プロジェクトとの並立による中独対立や、またドイツ国内の対立。 特に日本との同盟に向かおうとする外務省、軍需産業の継続発展を願う国防省、内乱の多い中国との経済提携を危険視する財務省、兵器の輸出振興を目指す経済省などの思惑が入り乱れる「政府内政治」が描かれています。 中国側でも、蒋介石だけでなく国民党内部の状況や、西南派、共産党、そして日本の侵略など、当時の中国を取り巻く状況からドイツとの軍事提携の内実が述べられています。 ナチスと聞いて当然思い浮かべるヒトラー、ゲーリング、リッベントロップなどは終盤まで殆ど登場せず、代わりに国防相・ブロンベルク将軍、最後に彼らがそれまでの関係省庁の努力を水の泡にします。 著者の前作『ナチズム外交と「満州国」』との関連が大きい研究です。 研究書なので注が多いですが、殆どは参照文献の紹介だけなので、無視して読み進めますw ニン、トン♪

Posted by ブクログ

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