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胸に突き刺さる恋の句 女性俳人百年の愛とその軌跡
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 論創社 |
発売年月日 | 2013/03/15 |
JAN | 9784846012236 |
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胸に突き刺さる恋の句
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1件のお客様レビュー
著者は女性雑誌に関わるお仕事をされていた方のようで語り口は大変身近な感じですが、資料にもきちんと当たり下調べをされた上での執筆と思います。恋愛句や女性の俳句を取り上げた本は.これ1冊ではないですが、この本の良いところは、 明治期からの社会世相・俳句に女性が手を染め発表する舞台と...
著者は女性雑誌に関わるお仕事をされていた方のようで語り口は大変身近な感じですが、資料にもきちんと当たり下調べをされた上での執筆と思います。恋愛句や女性の俳句を取り上げた本は.これ1冊ではないですが、この本の良いところは、 明治期からの社会世相・俳句に女性が手を染め発表する舞台としての女性誌の役割などを分かり易く説きながら、俳壇の動向も反映させた評伝を書いているところにあると思います。女性史・文化史の本としても興味深い一冊でした。 実作もなさる方が書いていらっしゃるせいか取り上げられている句も流石に目が行き届いています。紹介されている作品も実に瑞々しく、心揺さぶられずにはいられません。 我が恋は林檎の如く美しき 中川富女 そなさんと知っての雪の礫かな 沢田はぎ女 花衣ぬぐやまつはる紐いろいろ 張りとほす女の意地や藍ゆかた 虚子ぎらひかな女嫌ひのひとへ帯 杉田久女 呪ふ人は好きな人なり紅芙蓉 青柿落ちる女が堕ちるところまで 長谷川かな女 鞦韆は漕ぐべし愛は奪ふべし 千万年後の恋人へダリア剪る 白露や死んでゆく日も帯締めて みんな夢雪割草が咲いたのね 三橋鷹女 ゆるやかに着てひとと逢ふ蛍の夜 桂信子 雪はげし抱かれて息のつまりしこと 月光にいのち死にゆくひとと寝る 着きてすぐわかれの言葉霧の夜 七夕や髪濡れしまま人に逢ふ 蛍籠昏ければ揺り炎えたゝす 橋本多佳子 すみれ野に罪あるごとく来て二人 生涯を恋にかけたる桜かな 花冷えや箪笥の底の男帯 死なうかと囁かれしは蛍の夜 とほのくは愛のみならず夕蛍 蛍火や女の道をふみはづし 白玉や愛する人にも嘘ついて 男憎しされども恋し柳散る 朝顔やすでにきのふとなりしこと かのことは夢まぼろしか秋の蝶 雪女恋の手管は知りつくし 鈴木真砂女 香水やその夜その時その所 武原はん どこまでが帯どこまでがおぼろの夜 津沢マサ子 抱擁や初髪惜しげなくつぶす 品田鈴子 螢火や手首ほそしと掴まれし 恋文も時効のころの桐の花 正木ゆう子 桃熟れてもうすぐ叫ぶ叫んでしまう 鎌倉佐弓 春は曙そろそろ帰ってくれないか 櫂未知子 どれも忘れられそうにない句です。そして恐らく私が知らないだけで、もっと芳醇な俳句が今この瞬間も生み出されている。その新鮮さが短詩型文学の魅力なのでしょう。短歌以上に削ぎ落とされた切迫感と雄弁さの対比がとても素敵でした。 もっと読みたい!と次に繋がる一冊です。
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