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検証 官邸のイラク戦争 元防衛官僚による批判と自省
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2013/03/22 |
JAN | 9784000258838 |
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検証 官邸のイラク戦争
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「ちょっと~、イラクが大量破壊兵器を隠してるんですけど~。これ は懲らしめなきゃいけないと思うの~」 アメリカがこんなことを言って2003年におっぱじめたイラク戦争である。 アメリカの尻馬に乗って、その尻を叩いたのはイギリス。しかし、イギ リスはイラク戦争から14年の年...
「ちょっと~、イラクが大量破壊兵器を隠してるんですけど~。これ は懲らしめなきゃいけないと思うの~」 アメリカがこんなことを言って2003年におっぱじめたイラク戦争である。 アメリカの尻馬に乗って、その尻を叩いたのはイギリス。しかし、イギ リスはイラク戦争から14年の年月が経ってからだったが、この戦争の 検証をした。 日本の時の首相・小泉純一郎はいち早くアメリカ支持を打ち出した。 「アメリカ様がそうおっしゃるのなら、その通りでございます」。太鼓持ち か、我が国は。 結局、イラクが大量破壊兵器を保有しているなんてのはガセだった。 でも、イラク特別措置法まで作って自衛隊を派遣したのに日本はこの 戦争の検証も総括もしていない。当事者であるアメリカは検証してる はずなんだが。 していないどころか、2014年の国会答弁で安倍晋三は「累次にわたる 国連決議に違反したのはイラクであり、大量破壊兵器がないと証明で きるチャンスがあるにも関わらず、それを証明できなかったのはイラク であったということは申し上げておきたい」と言っていた。 政府が検証しないから、イラク戦争当時に首相官邸で自衛隊派遣の 実務責任者であった元防衛官僚だった著者が検証している。 内幕話ではない。日本がどのようにしてアメリカを支持し、戦後イラク の復興支援の為に自衛隊を派遣するまでのプロセスをつまびらかに している。 「アメリカ様は間違ったことをしない」。それが間違いなんだよね。 アメリカの武力行使に反対したフランスとはかなり違う。あの時の フランスは、間違いは間違いだと正論を展開してイラク戦争に反対 したもの。 でも、日本は出来なかった。国際協調よりも日米同盟を優先したから だ。そして、もうひとつ大きな問題だったと思うのは日本が独自の情報 ソースを持っていないことだと思う。 アメリカからの情報を鵜呑みにして、アメリカのやることにはもろ手を 上げて賛成するのだもの。 イラク戦争から10年以上が経過して、独自の情報ソースを持たないと いう日本の弱点は解消されたかと言えばそうではない。 2015年にISに拘束されていた邦人2人の身代金を要求する映像が公開 された時、日本政府が現地対策本部を置いたのは人質交渉に実績の あったトルコではなく、ヨルダンだった。 これはヨルダン情報部とアメリカのCIAが密接なつながりがあるからに 他ならない。 本書では著者がアメリカ追随ではい方法があったのではないかと自省 を込めて当時の状況を振り返っている。これは元官僚ひとりが負うべき ことではないと思う。 日本の安全保障や外交を担う政治家をはじめとした人たちこそが、きちん と検証すべき事柄なのだと思う。でも、きっとしないよね。アメリカ様は正義 なのだから。 でも、そのアメリカは裁かれないだけで間違ったことをいっぱいしている のだけれどね。 間違ったことを認めたくないんだろうな。でも、間違いを間違いと認めない と成長は望めないんだけどな。
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2002年8月〜2004年3月まで防衛庁防衛研究所長、2004年4月〜2009年7月末まで安全保障・危機管理担当の内閣官房副長官補として、小泉・安倍(第一次)・福田・麻生の4つの内閣で勤務した著者によって、イラク戦争参加にかかる「検証」と反省とが記される。 私は筆者と必ずしも...
2002年8月〜2004年3月まで防衛庁防衛研究所長、2004年4月〜2009年7月末まで安全保障・危機管理担当の内閣官房副長官補として、小泉・安倍(第一次)・福田・麻生の4つの内閣で勤務した著者によって、イラク戦争参加にかかる「検証」と反省とが記される。 私は筆者と必ずしも立場を同じくしないし、思考の道筋には違和感を覚えるところもあった。しかし、“良心的”な国家官僚がどのような発想で、どんな準備をするかはそれなりに理解できたような気がする。 2015年安保の際、しばしば「法的安定性」という概念が問題となった。いろいろ定義や説明はできるのだろうけれど、国家官僚からすれば、要するに(たとえ屁理屈であっても)理屈がつけられて、それが過去の政府判断とも一応整合し、未来の政府判断にも一定の限定を与えられているかどうか、ということなのだろう。そして、おそらく第一次・第二次安倍政権の特徴(問題性)とはその点にあるのであって、一回的な説明・場当たり的な切り抜けしかできない理屈でこの政権は押し通し、おそらくは自衛隊の被る〈被害〉を根拠に「国民」の情緒に訴えることで、強引な現状変更を目論んでいるのだろう。この政権の「一線を超えた」感覚の淵源は、目的のためなら手段を選ばない、政府の論理的な説明さえ放棄してしまう、という点に求められるのではないか? 著者は、イラク戦争以降、「日米同盟」という手段が目的に転化してしまっている、と警鐘を鳴らしている。軍事的・政治的・経済的・社会的に対米従属という〈この道しかない〉と思わせたがっているのは、ほんとうにはいったい誰なのだろうか? かれらはそのことによって、いったいどのような利益を獲得することができるのだろうか?
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防衛官僚によるイラク戦争の検証。当時はまだ知識とかなくなんだか大きな事が起きている程度の認識だったけど、今これを読んでみて何が問題とされていたのか、何が今までと大きく変わりうる話なのかってのが整理できた。アメリカがなぜイラク戦争を選択したのか、日本はなぜアメリカを支持したのか、そ...
防衛官僚によるイラク戦争の検証。当時はまだ知識とかなくなんだか大きな事が起きている程度の認識だったけど、今これを読んでみて何が問題とされていたのか、何が今までと大きく変わりうる話なのかってのが整理できた。アメリカがなぜイラク戦争を選択したのか、日本はなぜアメリカを支持したのか、その辺を丁寧に追っていて勉強になった。
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