ガチ！ 少女と椿とベアナックル

伯方雪日【著】

• 販売会社／発売会社: 原書房
• 発売年月日: 2013/02/25
• JAN: 9784562048892

商品レビュー

2016/10/22

万年前座でヤラセしまくりで本当は強くないレスラーの父親が、チャンピオンにガチ（本気の勝負）を挑んだ後死んだ。
その娘と、弟子の若手レスラーが出会うとこから始まる。
最初は関係がわからないけど、女子高生殺人事件も起きていて、何かあるな、という出だし。

プロレスについて詳しくないので、プロレスが基本的に台本ありきのショーだ、というのを知ると最初は娘と同じく「レスラーって弱いの？」と思ってしまう。
だが、読んでいくと何となく、レスラーが強い、ということがわからされる感じになる。。んだが、説明は難しいなぁ。
ショービジネスのようなガチのような、不思議な格闘技だ。

並行して起きている殺人事件については、冒頭の事件のシーンで、リード通りの犯人かな？と思っていたのだけれど、娘さんのある台詞で「あの人やん…」となった。
全体として、事件は添え物で、娘と弟子の二人のプロレスに対するあれやこれがメインと感じた。
個人的には税関のシーンがお気に入り。ファンが憧れの人に出会うってそういうことだ。

2013/03/23

今回はプロレス＝人情！人間ドラマ中心！ほんわかする！だが！　その面で素晴らしいだけに、今作が受けたら今度は超人的な格闘家ミステリ路線を伯方先生が捨ててしまわないかと不安である。

2013/03/17

前の作品同様に格闘技(主にプロレス)とミステリを
融合させた作品。このスタイルを貫くところが
作者のプロレス好きなところが充分に伝わってきます。

昭和スタイルの脇役レスラーの不可解な死。その娘
「尽子」と愛弟子と「吉野」の2人が自然な形で
お互いを意識する事から始まり、「尽子」のクラスメイトが
連続女子高生殺人事件の被害者となり、さらには覚醒剤、
真犯人が「吉野」の所属プロレス団体を介して
意外形で繋がっていく...。という力技なストーリー。

以前の作品ではミステリの要素と格闘技との繋がりや
バランス、密接感に違和感を感じていて、むしろ格闘技や
プロレスに比重を重く置いた作品にした方がいいのに...
と思っていたのですが、今作はギリギリのバランスで
その両者が噛み合った...かもしれませんね、かなりの
強引さですがw。

更にちょっと作者自身の主張が強かったプロレス論も
トーンダウンし、登場人物の性格や試合描写でその辺りを
熱く伝るようになっていて押し付けがましさが無くなっています。
きっといいキャラを描けた結果なのかも。今回の登場人物達で
更なる格闘+ミステリ路線を貫いて欲しいですね。