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足音がやってくる 岩波少年文庫608
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2013/02/18 |
JAN | 9784001146080 |
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足音がやってくる
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商品レビュー
3.8
6件のお客様レビュー
前半はミステリー調。 3人の子どもを持つパーマー氏の妻となったクレアは、善き母になろうと頑張ってます。それを親戚の人たちにも認めてもらいたいと…こういうのって世界共通なのかな。 クレアに赤ちゃんができたと知った時に、末っ子のバーニーは自分の母親が自分を産んだために死んだことから、...
前半はミステリー調。 3人の子どもを持つパーマー氏の妻となったクレアは、善き母になろうと頑張ってます。それを親戚の人たちにも認めてもらいたいと…こういうのって世界共通なのかな。 クレアに赤ちゃんができたと知った時に、末っ子のバーニーは自分の母親が自分を産んだために死んだことから、クレアに対してとても気遣っている。小児科医のガイ大叔父さんの解説を聞くと、説得力もあります。 こういった現実的な内容に魔法の話が自然に入りこんでくるのがマーヒーらしいのかもしれません。 最後はほっこりした感じで終わってるので読者も安心できます。
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読書会のお題につき。 _何の前ぶれもなく、ごくふつうの金曜日に、バーニーは、世界が傾いて、どちらを向いても足もとの地面がどんどん下り坂になってしまうような気がした。そしてまた幽霊が自分にとりつこうとしていることがわかった。_ どうやら、この子には小さなころから空想のカマキリ...
読書会のお題につき。 _何の前ぶれもなく、ごくふつうの金曜日に、バーニーは、世界が傾いて、どちらを向いても足もとの地面がどんどん下り坂になってしまうような気がした。そしてまた幽霊が自分にとりつこうとしていることがわかった。_ どうやら、この子には小さなころから空想のカマキリやブーンブーンやユウレイたちが見えていたようだ。久しぶりにそれが帰ってきた。。 バーニーは8歳の男の子。父親と姉ふたり、そして新しいお母さんのクレアと暮らしている。バーニーはほんとうのお母さんを覚えていない。自分を産んだ時に死んでしまったのだ。 この、いわゆる新しい母親と少年がとても上手くやっているという設定に驚きました。大抵のYA文学では、子どもは本当の親の方に心があり、継母には心を開かないものというイメージがありました。 てもバーニーにとってはクレアが家にやってきたことは素晴らしいことで、母親代わりの彼女の存在を喜んでいるし、クレアも素晴らしい女性で、まだ1年ほどだけれども、この家の本当の家族になろうと素敵に振舞っている。 バーニーにはいま、レースの襟の付いた、古風な青いビロードの服を着た男の子が見えてくる。「バーナビーが死んだ!ぼくはとってもさびしくなるよ。」 とその男の子の声がする。バーナビーとは、バーニーの正式名だ。 そしてこの日決定的な事が起きる。 家に帰ると、ひとつ上の姉タビサが、 「あたしたち 喪にふくすのよ」 という。お腹に赤ちゃんのいるクレアを案じて「まさかクレア?」と心配するバーニーに 「バーナビー大叔父さんよ、スカラー家の(亡くなった母方の)」 バーナビー? あの声が聞こえる、そてバーニーは気を失う。 怖いけれどかわいいのが、小説家志望のタビサは、気絶した弟への好奇心でいっぱいってところ。かつ、姉としての優しさも持ち合わせてる最高のキャラクター。 子どもたちはスカラー家の親戚へお悔やみの挨拶に出かけることになる。 スカラー家のおじいさんおばあさんはともかく、ひいおばあさんが子ども達には苦手な存在。タビサいわく 「ひいおばあさんに会いに行くのって、魔法は使えなくなったけど、意地悪なところはそのままの魔女に会いにいくみたいなもん」だそう。 スカラーのひいおばあさんには4人の子どもがいるが、つまりおじいさん以外に3人の大叔父がいた。ガイ大叔父さん、アルベリック大叔父さん、亡くなったバーナビー大叔父さん、そしてもう一人この一家から忘れられているコール大叔父…幽霊の正体はこの人のようなのだ。 しかし、この人たちと関わっていくうちに幽霊のように足音に取り憑かれる謎が解けてゆく…というお話し。 バーニーのお父さんはいかにも典型的な現代の父親。仕事が忙しくて家のことはクレアに任せっきり。そして、もう1人の姉、13歳のトロイ。彼女から見たこの一家はどうなのだろう?ほんとうの母親を覚えているトロイにとって、クレアの存在は? 河合隼雄さんは、『児童文学の世界』の中で この物語の本質が8歳の男の子の内面よりも、13歳の少女の内界の方により深く関係しているように感じられる。と仰っています! ここに魔法が入ってくるんだけど、魔法の在り方が現代的というか、魔法使いが生活の中に身を隠している感じが普通のファンタジーとは違っておもしろいのです。そして魔法使いは誰なのか、というのもミステリーチックで読ませるのでしょう。 どちらかと言うと細やかな情景描写を描くよりも、人間を描いている作品でした。 つまり、私の好きな要素は少ないけれど、人間関係の描写が素晴らしいのでとてもおもしろかった…というのがザクっとしたわたくしの感想です。はい。 でもストーリーテリングが素晴らしいので、ふた晩で読み終えてしまいましたよ。こういう名作に出会えるのは読読会ならでは、でした。
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魔法使いがやってくる。 大叔父のバーナビーが死んだ日、バーニーは幽霊の声を聞く。その日からバーニーは幽霊に取り憑かれてしまった。だんだんと近づく足音。それは昔に死んだはずのコール大叔父なのか? スカラー家の魔法使いとは誰なのか? 少年少女が成長する間に、人が変わってしまったようになるのを「魔法」と称してもよいかもしれない。けれどこの物語では、はっきりと魔法が存在する。声が聞こえてきたり、物が動いたりする魔法が。 魔法使いだからと言って、思い通りに人生を歩めるわけではない。自分の持つ力と折り合いをつけて暮らしていくのに苦労もする。ひいおばあさんもコール大叔父さんも、確かに魔法は使えたが、それだけでは幸せに生きられなかった。パーマー家の魔法使いトロイも足掻いている。自分の持つ力を何かよいことのために使えるように、と。 タビサの図々しさにつながる好奇心はひとつの強さだ。小説を書こうとするタビサは、常に疑問を持ち、他の人が黙る場面でも問い続ける。ペンの力もまた世界を変えていく力のひとつ。決して平凡な強さではない。 バーニーは今後このような強さを持つ家族に囲まれて、魔法の力を強めるかもしれないし、魔法を使わないかもしれない。しかし、お互いを思いやるならば魔法の力を持っていようがいまいが、強くあれるのだ。
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