ナラティヴ・セラピーの会話術 ディスコースとエイジェンシーという視点

国重浩一【著】

• 販売会社／発売会社: 金子書房
• 発売年月日: 2013/02/01
• JAN: 9784760830299

商品レビュー

2023/10/23

ナラティヴセラピーを知るための本として、確かにわかりやすくまとまってはいるが、いま一つしっくりきていない読後感である。技法や考え方の説明は読んでいてよくわかるのだが、紹介されている事例を自分の中でスッキリ落とし込められない部分がある。著者の中でも、まだ言語化できていない部分があるのではないかと思った。
ただ、よくよく考えてみれば、本書に限らずナラティヴセラピーの事例を読んでいて、腑に落ちた経験がそれほどなかったような気もする…。

2018/08/15

ナラティブセミナーを日本でやるってこんな感じみたいな入門書かな？

ナラティブは理論的で難しい本が多いなかで、これはかなりわかりやすいと思う。

また、マイケル・ホワイトの華麗な（？）セラピー事例を読むと、とても自分ができそうな気がしてこないのだが、こっちを読むと、日本でやるリアリティが伝わってきて、なんか自分なりにやれるかもという感覚も。。。。

ただし、クライアントの言語化がなかなか進まず、無言、同じことの繰り返しにみえるセラピーの事例を読むと、これはこれで、イライラしてきて、なんかバーンと介入したくなる欲求が湧き上がってくる。。。。

多分、日本でやるとこんな感じになるんだろうな〜。なんでだろう、それこそ、日本における支配的なディスコースということだろうか。。。

2017/07/14

・私（マーティン・ペイン）がマイケル・ホワイトに、この本の中に見出したいものは何か、決して省かれたり控えめに書かれたりしてはならないものは何か、と尋ねたとき、私は「外在化を強調するのを忘れないように」とか「語ること、語り直すことの描写をいれてください」といった返答を期待していました。
しかし彼が言ったのは、あなた自身の声を聞くこと、この手法についてあなた自身が発見したこと、自分の人生といかに呼応したか、この手法に参加するについて自分の人生がどのような貢献をしたのか、それを知りたいと思います」ということでした。

・問題に苦しめられているのは、当然大変なことですが、そこから抜け出すために努力することも、同様に大変なことなのです。

・スティーブン・マディガンによるナラティヴ・セラピーのビデオを見たところ、どのような相談をしに来たのですか、と尋ねるのではなく、「初めに聞きたいのですが…私のような者に今、この時期に会いに来たというのは、どういうことなのでしょうか？」と尋ね、最初に、相談に来た人が自分自身をどのように位置づけるかの選択肢を与える機会を提供していました。