それなりに生きている ちくま文庫

群ようこ【著】

• 販売会社／発売会社: 筑摩書房
• 発売年月日: 2013/02/08
• JAN: 9784480430281

商品レビュー

2021/01/23

とんちゃんがかわいい
猫描写が好きだな

しいちゃんがどうなってるのか
読了後　調べてみた

・・・

2020/10/03

著者の群ようこさんは、1954年生まれ。
この作品は、著者が56歳位の時に書かれたものと思われます。

207頁。
「動物と暮らしていると、必ず別れが訪れるものだとわかっていながら、実際にそうなるととても悲しい。五年前に隣に住む友だちが飼っていたビーちゃんが亡くなったときも、まるで自分の家のネコが亡くなったのと同じ気持ちになった。毎朝、他の友だちの亡くなったネコたちと一緒に、写真にお線香を供えているのだが、無性にビーちゃんに会いたくなるときがある。ただ不思議なのは、ビーちゃんが亡くなってから、命日とお彼岸のときに、必ずしいが同じ行動をするのだ。」

著者は、しいという名前のネコを飼っているが、そのネコが、亡くなったビーちゃんの命日とお彼岸には、あたかもビーちゃんとじゃれあっているような行動をとるそうです。
その辺りのことを書かれているのですが、そういうこともあるのかな、という気がします。

最近は、ペットロスという言葉を良く聞きますが、この本が書かれた2010年頃は、今ほど浸透していなかった言葉のような気がします。

著者の飼いネコ、しいちゃんですが、その後どうなったのか追跡してみました。
2018年刊行された『咳をしても一人と一匹』によると、当時、しいちゃんは19歳位になっていたようです。
で、しいちゃんは、著者にとっては、「しまいネコ」になるそうです。
つまり、人生の最後に飼う猫のことです。

まあ、この辺は、悲しくなってくるが、現実は受け入れるしかない。
ちなみに、実家でもネコを飼っていたが、母親が70代後半の時にネコは亡くなり、「しまいネコ」になりました。

37～38頁。
著者の覚悟が書かれています。

だいたい、結婚したって寂しい人は寂しいのである。
五十年以上生きてきて、そんなことすらもわからないのか。
私自身もずっと独身で、姑を相手にする苦労も知らず、赤ん坊の夜泣きも子供の反抗期も経験せず、教育費や日々の生活費に頭を悩ますこともなく、勝手気ままに過ごしてきたが、老後に関しては覚悟がある。
これまで自由にしてきたのだから、何らかの報いを受けるのが当然で、部屋の中で白骨化して孤独死といわれようが、徘徊老人となって行方不明になろうが、それはそれで自分の運命だと思っている。
他人は、「最期があれじゃ寂しいわね」などというかもしれないが、まあそうなったらそうなったで仕方がない。
本人は死んじゃえばわからないので、どうでもいいのだ。

この辺の覚悟は見習いたいところ。
孤独死は周囲に迷惑をかけるので、それはそれで困るが、どんな死に方をしても、全く周囲に迷惑をかけないということはないだろう。
まあ、あまり考えすぎないことだ。

2018/09/21

久しぶりの群さんエッセイ。カバーからいつも通りの動物エッセイかと思ったら、ヒトも含めてそれなりに生きていた。当時54歳独身の著者の思いの丈を、一回り下の自分は共感半分の気持ちで読み進めた。「ネコの超能力」で、超常的な出来事に少しウルウルしてしまった。我が家のネコたちはどうだろう？