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震災日録 記憶を記録する 岩波新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2013/02/22 |
JAN | 9784004314127 |
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震災日録
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震災日録
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商品レビュー
3.4
8件のお客様レビュー
シブい仕事だ、と唸る。東日本大震災から1年にかけて、著者はパニックに揺れる日本の「空気」に時に辟易しながら、その「空気」を記録せんと奮闘してきた。その生々しい記録は今読んでもアクチュアル。こんな雰囲気が確かにあり、こんな事件が確かに起きたと私自身のポンコツな記憶力を恥じさせられる...
シブい仕事だ、と唸る。東日本大震災から1年にかけて、著者はパニックに揺れる日本の「空気」に時に辟易しながら、その「空気」を記録せんと奮闘してきた。その生々しい記録は今読んでもアクチュアル。こんな雰囲気が確かにあり、こんな事件が確かに起きたと私自身のポンコツな記憶力を恥じさせられる。すべて(特に都合の悪いこと)を忘却したいという欲望は私にもあるが、こうした記録が残されてしまうとその甘さ・怠慢を指弾されているようで襟を正してしまう。いくつか著者の意見に抵抗感を抱いたが、それでもなかなか読めない記録だと思われる
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カテゴリ:図書館企画展示 2014年度第6回図書館企画展示 「命 -共に生きる-」 開催期間:2015年3月9日(月) ~2015年4月7日(火)【終了しました】 開催場所:図書館第1ゲート入口すぐ、雑誌閲覧室前の展示スペース
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著者は、2011年3月11日からの一年を「震災日録」として、自身のホームページに書き続けた。原稿用紙で数えればおそらく1000枚以上あるという、それらの日録を、まとめて新書にするにあたり三分の一に圧縮、そうすると「被災地と原発事故に関すること以外はほとんど削らなくてはならなかった...
著者は、2011年3月11日からの一年を「震災日録」として、自身のホームページに書き続けた。原稿用紙で数えればおそらく1000枚以上あるという、それらの日録を、まとめて新書にするにあたり三分の一に圧縮、そうすると「被災地と原発事故に関すること以外はほとんど削らなくてはならなかった」(p.256)という。日常のあれこれを削ると、まるで自分が使命感と情熱で走り続けたように見えるのが面映ゆいと書かれている。 とはいえ、「記録されないことは記憶されない」という思いで、著者は日々を書き続けた。 ▼いま起こっている途方もない災厄について、何か分析したり、評言めいたことを書くことは私にはできない。だけど関東大震災について、東京大空襲について、書き遺されたリアルタイムの日録を読んで、あとでまとめた感想や記憶とは違うと納得することがある。新聞やテレビは大所高所から報道する。私は26年間、『谷根千』で小所低所から人々のかそけき声を聞き取ってきた。地域の日常を、被災地で見たものを聞いたことを書いておこうと決めた(3.21記)。 (p.1、発災直後) 時間がたてば心がゆれる話。 ▼…私は今度ばかりは町の高台移転が必要なのではないか、と考え、初期にはそう書いた。結城登美雄さんからも漁師たちさえ「もう海際には住みたくない」と言っていると聴いた。しかし時間がたつにつれ、心はゆれる。「1000年後の地震に備えて不便な高台に町を造るよりも、もとのところに住みたい」「今回は逃げなかったから亡くなった人が多いが、逃げたら助かっていた。逃げればいいんだから海際に住みたい」。そんな声も聞こえてくる。…(p.121、「6/14 ずっと住める復興住宅を」) 南三陸町で1ヵ月ボランティアをした建築家の松下朋子さんの話。 ▼「…(略)…自分が被災者になる可能性をイメージしてみることが重要。何が足りないか。家族とはどう連絡をとるか、どの経路でどこに逃げるかなど。災害が起こると使えなくなるものは何か、電気システム、ガス、水道、電話などの人為的なものは使えなくなることが多い。いっぽう自然エネルギーとして太陽光、地熱、貯水の知識は必須。トイレをどうするかも考えておく。日頃から誰と逃げて、誰と共同生活するか、考えておくことが大事です」。(p.141、「7/8 お寺を防災のサテライトに」) 地元で毎週のように集まり、「本当にいのちの助かる防災センターとは何か」を考えてきたこと。 ▼…私たちは自助、共助、公助ということの内容と連環を少しだけ学んだ。災害時の避難は誰かが安全な場所を教えてくれ、用意してくれるわけではない。自分たちで命を守る判断と行動ができるということが大事なのだ。釜石の子どもたちのように。(p.154、「9/29 討論の蓄積を区に提出」) 文化とは何か。放っておくと修復不可能だと壊されてしまう文化財をどう救えるか。 ▼…文化財という場合、国や県、市町村が指定したものだけを刺すわけではない。土地の人が代々その土地で守ってきた、豊かに生きていくために不可欠なものすべてをいう。そういうと文化とはそもそも何か、という話になる。美術史家・高階秀爾氏は「記憶の継承だ」と教えてくださったし、作家・司馬遼太郎さんは「それにくるまれていると心安らぐもの」であると書いておられる。この二つは私にとって気に入った定義なのだが、自分では「生活の細部を輝かせるもの」とも付け加えている。(p.170、「8/25 被災地の文化財救出のために」) 地元コミセンの防災建て替えでお世話になっている防災都市計画の吉川仁さんから届いたメール。 ▼「最近の防災のキーワードは「避難」です。が、世間的には、避難=安全なところに移動、という風潮が広まっています。だれかが安全な場所を用意してくれる? そうではなくて、自分(たち)で命を守る判断と行動ができる、ということが重要なんではないか、と思っています」。安全な場所は誰かが教えてくれるわけではない。(p.220、「12/19 学校と津波」) 「森まゆみ 震災日録」の、削られる前のものはここにまとめられているらしい。 http://www.eizoudocument.com/0601mori.html 削って本にまとめられる前の、この記録も読んでおこうと思う。 (3/7了)
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