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偽りの秀吉像を打ち壊す
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 柏書房 |
発売年月日 | 2013/01/28 |
JAN | 9784760142170 |
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偽りの秀吉像を打ち壊す
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所収論稿は以下の通り。 堀新「豊臣秀吉は征夷大将軍になりたかったのか?」 遠藤珠紀「消えた前田玄以」 片山正彦「『長丸』の上洛に関しての再検討」 千葉一大「豊臣政権と北奥大名南部家」 山本博文「秀吉と天皇」 佐島顕子「文禄役講和の裏側」 曽根勇二「秀吉による伏見・大坂体制の構...
所収論稿は以下の通り。 堀新「豊臣秀吉は征夷大将軍になりたかったのか?」 遠藤珠紀「消えた前田玄以」 片山正彦「『長丸』の上洛に関しての再検討」 千葉一大「豊臣政権と北奥大名南部家」 山本博文「秀吉と天皇」 佐島顕子「文禄役講和の裏側」 曽根勇二「秀吉による伏見・大坂体制の構築」 白根孝胤「大坂の陣をめぐる豊臣家と徳川家」 堀智博「毛利輝元と大坂の陣」 朝鮮や中国の史料を読み込み、「文禄の役」講和交渉に小西行長・宗義智ラインとは別の線、鍋島直茂の関与を明らかにした佐島論文が特に注目される。加藤清正が日本の「王」として天皇を想定し、秀吉の出自と権威の低さを朝鮮側に吐露したという話は、(より慎重な史料批判が必要だろうが)豊臣政権の歴史的位置を考える上で重要な問題を含んでいると思われ、本書の山本論文の豊臣政権論(豊臣政権を自律的な「王権」「王朝」と捉え、「天皇王権」からの「王朝交代」とみなす)とは対照的で興味深い。
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豊臣家康は源家康になる必要があった。そして、 ある人間たちの歴史を書き換えさせた。すべては 徳川家のために。 気鋭の研究者九人が、創られた歴史からの脱却を 試みる。 序 章 既成の秀吉像を打ち壊すということ(山本博文) 第一章 豊臣秀吉は征夷大将軍になりたかったのか...
豊臣家康は源家康になる必要があった。そして、 ある人間たちの歴史を書き換えさせた。すべては 徳川家のために。 気鋭の研究者九人が、創られた歴史からの脱却を 試みる。 序 章 既成の秀吉像を打ち壊すということ(山本博文) 第一章 豊臣秀吉は征夷大将軍になりたかったのか?(堀新) 第二章 消えた前田玄以(遠藤珠紀) 第三章 「長丸」の上洛に関しての再検討(片山正彦) 第四章 豊臣政権と北奥大名南部家(千葉一大) 第五章 秀吉と天皇(山本博文) 第六章 文禄役講和の裏側(佐島顕子) 第七章 秀吉による伏見・大坂体制の構築(曽根勇二) 第八章 大坂の陣をめぐる豊臣家と徳川家 第九章 毛利輝元と大坂の陣(堀智博) カバーの秀吉像が面白い。都城島津邸所蔵のもので狩野家が聚楽第の障壁画を描いた時、狩野家の門弟であった島津家家臣 白谷卜斎が秀吉の許可を得て描いたものの模写だという。 内容は玉石混交。やや牽強付会に感じる部分もあり残念なものもある。全体的に新鮮味はないものの聞きかじりだったものを改めてとらえ直すことが出来たのが良かった。前著に比べて、少ない印象があるが、史料(書状、朱印状、日記)が部分的とはいえ写真で収録されているのは好ましい。 「徳川史観を打ち壊す」というのは一つの売りではあるが、スローガンとして今後も続けるのはツライ気がする。帯の文句はミスリードな気もする。 第一章、織田がつき羽柴がこねし天下餅座して食らふは、徳の川。この落首をモデルにした風刺画があり、餅を捏ねているいるのが明智光秀というのに面白みを感じた。徳川史観と源平交替説を絡めて論じている。著者の言わんとしていることは解るが、俗説打破の部分はもう少し丁寧に論じて欲しい気がした。(ページの都合があるのかもしれぬが、展開が性急に感じる) 第二章ネタは面白い。研究の掘り下げを望みたい。 第三章論点がわかりにくい。生煮えの感がある。 第四章新鮮味は無いが、南部家史料という点が面白い。 第五章言いたいことは解る気がするし、同感の部分もあるが、論じ方を間違えるとトンデモ説と紙一重の気がする。ゆえにベージを割いて丁寧に論じて欲しいところである。 第六章文禄の役、いまいちよくわからない部分なので興味深い。 第七章、大味の感はあるが大坂と伏見の地理的経済的な結びつきが面白い。秀吉が馬廻衆に村に住んではいけないと言っているのが面白い。信長と同じか。 第八章秀頼書状をじっくり写真で見れるのが嬉しい。 第九章、佐野道可の件、良質な史料の裏付けは無く、 浪人中の佐野が勝手にやったことであり輝元は無関係だったようだ。(背景に毛利秀元と吉川広家の対立がにあり、後世吉川家の人間が密書を創作した模様) 関ヶ原前夜(光成準治著)を読んで輝元悪いやっちゃと思ったがこの件に関しては無実と解り反省。 あとがきを読むと前著にはいろいろな批判もあったという。その中には「学界の検証を経ていない内容を、一般書で展開するのはいかがなものか」というものがあったという。編者は「一般書と研究書の境界は現在はほとんど無くなっている」むしろ「学界が積極的に(一般書を)検証すべき」としている。 前者の批判には一利ある。新説は検証されなくてはいけない。他者の検証が可能な状態とすべきである。本書はその点、やや物足りない気がする。(先行研究への言及など) 後者の主張についても一利ある。学界がどの程度フォローできるかという問題はあるものの、専門家が世間に無関心では困る。今後の研究の深化に期待したい。
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