山あり愛あり

佐川光晴【著】

• 販売会社／発売会社: 双葉社
• 発売年月日: 2013/01/17
• JAN: 9784575238044

商品レビュー

2013/05/22

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周三は大手都市銀行で不良債権処理に追われる日々を送った。20年勤務した後に早期自主退職した周三は、長らく封印してきた登山を再開するつもりだった。だが母子家庭支援のNPOバンク設立に関わってほしいと依頼される。周三も父親の顔を知らずに育った身だが、母親とは憎しみの果てに義絶していた。その母親が、いま死に瀕しているという…。元銀行マンが選んだ、新たな道。山に向かって姿勢を正す―。愛する山に恥じぬよう、一度きりの人生を歩んでゆく。共感と静かな感動を呼ぶ傑作長編。
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読みはじめは、池井戸作品のような銀行物語かと思ったが、さにあらず。主人公の周三は、成り行きで銀行マンになったが、銀行業務が最後まで好きになれず、早期退職して趣味の山登りを再開する心づもりだった。だが、事は思惑通りには運ばず、恩義のある人に頼まれたNPOにかかわることになるのだった。関係も愛も薄い実の母に対する思いや、家族への思い、山仲間への思いなどが、人生の折々に周三の行動に影響を与えていて、他人あっての自分なのだと思わされる。ただ、焦点を合わせる要素がいくつもあるので、幾分散漫な印象を受けてしまうのが惜しい一冊でもある。

2013/05/16

彼の生い立ちは複雑かもしれない。
でも、皆に愛され、仕事も大変ながらも順調。
“山あり”って言うほどの山はあったのかがあまり伝わらなかった。
ただ、家族、友達、彼を取り巻く人との絆が気持ちよい。

2013/03/02

人生はいろんな偶然の積み重ねだけど、それをどう受けとめて生かしていくのかは、その人次第なんだと思う。