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荻生徂徠「政談」
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荻生徂徠「政談」
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著者:荻生徂徠(1666-1728、江戸(東京)) 訳者:尾藤正英(1923-2013、大阪市) 解説:高山大毅
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「政談」には興味を惹かれていたのだが、岩波文庫のほうはパラッと開けてみたらこりゃ読めんという感じだったので一生読まないと思っていた。こうやって抄訳現代語訳を出してもらえて、とてもうれしい。 内容は期待にたがわず面白い。吉宗に献上された「経世の要諦」である。巻1で(大げさにいえば...
「政談」には興味を惹かれていたのだが、岩波文庫のほうはパラッと開けてみたらこりゃ読めんという感じだったので一生読まないと思っていた。こうやって抄訳現代語訳を出してもらえて、とてもうれしい。 内容は期待にたがわず面白い。吉宗に献上された「経世の要諦」である。巻1で(大げさにいえば)統治システムの考え方を細部の例示で描きだす。巻2は殖産経済の問題を処方箋として述べ、巻3は組織人事の話だ。 貨幣経済がようやく浸透することで、幕藩体制での武士による社会システムの運営が、行き詰まりを見せ始めていた頃の話である。徂徠は、基本的には「土地(封地)」と「米」に基礎を置き上下関係の礼を尊ぶ社会に回帰せよ、と復古を説く。 「礼法の制度を定めることと。旅宿の境遇をやめること、この二つが困窮を救う根本である」と。 徂徠は、やはり大学者で、社会、市井の細部の具体例を遍くとりあげて論理的な考察に基づく解決策を述べているが、さすがに経済のことについては当時のコンベンショナルな学者としてはとても扱いきれなかったようである。
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