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にっぽん怪盗伝 新装版 角川文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 角川書店/角川グループパブリッシング |
発売年月日 | 2012/12/25 |
JAN | 9784041006030 |
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にっぽん怪盗伝 新装版
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商品レビュー
4.2
9件のお客様レビュー
随分前にテレビドラマで鬼平犯科帳の外伝「四度目の女房」を見て以来ずっと心に残っていたので原作を読んでみた。 「四度目の女房」だけしっかり見て、あとはサラッと読もうかなと思っていたけどとんでもない。全ての短編が素晴らしく、時代小説といえば古いもののイメージだったのが、新しい刺激を受...
随分前にテレビドラマで鬼平犯科帳の外伝「四度目の女房」を見て以来ずっと心に残っていたので原作を読んでみた。 「四度目の女房」だけしっかり見て、あとはサラッと読もうかなと思っていたけどとんでもない。全ての短編が素晴らしく、時代小説といえば古いもののイメージだったのが、新しい刺激を受けるばかりの一冊だった。 短編といえど短編同士で人間関係に相関があることから群像小説でもあり、視点が変われば掏摸(すり)も商人も大盗賊も、全く違う顔を見せる面白さがある。 全ての短編で根底に「情」というテーマがあって、それは愛情だったり憎悪だったりするけど、池波さんが書く江戸の「情」は現代のそれよりもっと濃いように思われる。情が人を殺すし、情が人を生かしている。悪人が情で人を生かすこともあるし、善人が情で人を殺すこともある。
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池波正太郎氏の傑作短編が12編も入った「怪盗伝」。巻頭の2編「江戸怪盗記」、「白浪看板」には、池波氏が有名にした長谷川平蔵が登場するが、まだ「鬼平」と呼ばれるまでにはなっていないのが興味深い。どの作品も、人の世の哀感を滲ませる傑作集。
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江戸の世に蔓延る悪漢たちに焦点を当てた短編集です。 読後に知ったものですが、こちらはドラマなどにもなった鬼平犯科帳の作者様が書いたものとのことで、鬼平(長谷川平蔵)を初めとする火付盗賊改方を敵方に置いた、悪漢やその周りの人々の視点で話が展開します。 鬼平が登場するのは12...
江戸の世に蔓延る悪漢たちに焦点を当てた短編集です。 読後に知ったものですが、こちらはドラマなどにもなった鬼平犯科帳の作者様が書いたものとのことで、鬼平(長谷川平蔵)を初めとする火付盗賊改方を敵方に置いた、悪漢やその周りの人々の視点で話が展開します。 鬼平が登場するのは12編のうち1編のみです。 作者本人もピカレスクと称するように、悪役・悪人の物語が詰まった一冊ですが、悪漢の視点で進む物語というのは、また正義の側から進む物語とは違う魅力があって、気付くとしっかり引き込まれてしまいました。 悪漢には悪漢の考え方があり、流儀があり、ルールがあり、矜持があり、どうしようもない奴だと思う者もいれば情に厚い奴だと思う者もいる。慎重な者もいれば行き当たりばったりの者もいる。とてつもない成功を収めることができる者もいればある日突然転落して命を落としてしまう者もいる。 江戸の世の、ある意味ではとても人間味のあふれる世界に触れた気がします。 悪人を取り締まる方も、火付盗賊改方は町や藩をまたいで活動することのできる特別警察みたいな立ち位置ですが、お上に判断を仰ぐ間を持たず裁くことができるところに情状酌量やお目こぼし、お情けといった人間味のある処断が入る余地があったのだろうなと思います。 特権があるからこそ、それを振りかざして何でもかんでもでっちあげるような人もあったりしたのかもしれないですが……現代よりも江戸の方が窮屈ではなさそうだと、思ってしまったり。 どの話も、そして真相は藪の中、とでも言うように登場人物たちには知る由もないところで誰かが生きていたり死んでいたりする、というところがまたリアルで、ニヒルなところだったと思います。 自分の目の前にいるその人が本当はどんな人かなんて、結局のところ誰にもわからないものなのでしょうね。どんな人でも、いくつもの顔を持っているものなのだろうから。
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