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奇想の陳列部屋
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2012/12/15 |
JAN | 9784309255422 |
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奇想の陳列部屋
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商品レビュー
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3件のお客様レビュー
cabinet 少なくともわたし個人のイメージでは、キャビネとは収納家具の一種であって、それ以上でもそれ以下でもない。しかし、大航海時代を迎えた西洋のそれは、押し入れと呼ぶには少々広い、ひとつの小部屋であった。 しかもこの小部屋、単なる居室ではない。伽藍堂とは対局を成す、不...
cabinet 少なくともわたし個人のイメージでは、キャビネとは収納家具の一種であって、それ以上でもそれ以下でもない。しかし、大航海時代を迎えた西洋のそれは、押し入れと呼ぶには少々広い、ひとつの小部屋であった。 しかもこの小部屋、単なる居室ではない。伽藍堂とは対局を成す、不可思議な品物や書物が所狭しと居並ぶ異空間であり、その持ち物の主人によって首尾良く配置された、ミクロコスモスであった。この小部屋での彼は、さながら神のように振る舞う。南米からもたらされた槍も、アフリカからもたらされた壺も、世界を旅する知識人が書いた記録も、彼の手中にある。 わたし個人の関心に引き付けて書けば、モンテーニュという人物も、この部屋を持つひとりだった。彼のキャビネには、第一に書物があったが、南米からの渡来物も紛れていたという。 一般に、モンテーニュは当時の植民地支配に対して、極めて先駆的な考えを持つひとりだったことが知られている。「食人種について」という断章を読めば、それは明らかだ。しかし、彼が非難した万国記の作家と同様に、彼もまた珍奇物を手にしていた。隠居した彼でさえ、現場の外には出られなかったことを教えてくれる。 彼らとはある種対照的に、フロベールが『純な心』に描くフェリシテのキャビネには、極めて個人的な品物が並んだ。そのキャビネは部屋でなく、小さなクローゼットであり、値のつくものはなにひとつなかった。愛した人が残したものばかり。他人から見れば、それはがらくたの寄せ集めである。 しかしながら、この非相対主義的な押し入れこそ、ぜひとも持ちたいミクロコスモスである、と個人的には思う。というのも、キャビネの成れの果て、つまりは博物館を好む種の人間だからだ。わたしもモンテーニュのように、他者を尊重するつもりで掌握しようとする、悪癖持ちだ。 キャビネの歴史は、一見私的な問題かと思いきや、極めて公的なそれであり、その規模のささやかさに反比例して、人の本質を問う、極めて興味深いテーマであると思った。この分野については、もう少し深掘りしたい。
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ヴンダーカンマー(驚異の部屋)の写真集。絵画もある。何を言っているのかわからないかもしれないが見ればわかる。科博、KITTEのインターメディアテク、が好きなら一見の価値あり。もちろんC.M.B.も。
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資料。神秘学から博物学、趣味、最終的には芸術に至る変遷が丁寧に記されている。図版が思ったより少な目。
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