1,800円以上の注文で送料無料

戦争と飢餓
  • 中古
  • 書籍
  • 書籍

戦争と飢餓

リジーコリンガム【著】, 宇丹貴代実, 黒輪篤嗣【訳】

追加する に追加する

戦争と飢餓

定価 ¥4,950

4,510 定価より440円(8%)おトク

獲得ポイント41P

在庫なし

発送時期 1~5日以内に発送

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 河出書房新社
発売年月日 2012/12/13
JAN 9784309225869

戦争と飢餓

¥4,510

商品レビュー

3.8

4件のお客様レビュー

レビューを投稿

2017/06/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

またジャガイモとパンの生活に戻るだろうとして本書は閉じている。日本もまたタイ米に依存する日が来るかも知れないと感じた。危機感を残した本だった。 第三章(P85まで)イギリス・日本の第1次世界大戦までの食料事情と各国がどう対応したのか。世界各国の食料困窮の状況が書かれていた。世界史の知識があればもっと深読みできたと思う章だった。そうだ!世界史を読もう! P68まで 日本が飢餓に陥り、それが行政機関・人民に認識されていく様子が書かれており、興味深い。農業を産業の母体とする国は農地の広大を求める傾向があるためこの点から他地域の侵略を志す傾向があるとはどこかの本で読んだが、現在もその傾向は一緒なのだろうか。この本にその答えがあるのか、読み進めてみる。  第一次世界大戦と第二次世界大戦のなかの飢餓について書かれた本  ドイツでは植民地を持たないため、アメリカ・イギリス両国が支配するシーレーン(航路)を支配できない。また植民地を持つ他国に比べ原材料の供給地となる隷属的な農業配置をもてないこと、から世界経済において当時よりも平等な立場を確保することが必要不可欠だった。これは戦争への序章であり、この戦争に勝てば、自国を不利益な立場に押し入っている世界市場から抜け出せると確信していた。

Posted by ブクログ

2013/07/20

第二次世界大戦の、発生原因として、目論見として、戦時経済の大きな部分として、占領地政策として、戦後の安定化に向けて、「食料」がどのような役割をはたしたのか、膨大な資料によってまとめられた労作である。特に著者の母国である英国の事情については深く掘り下げてある。

Posted by ブクログ

2013/07/01

<食糧が戦争において果たした役割。戦争が食糧に及ぼした影響。> 600ページの大部である。うち100ページ余が参考文献に割かれているため、実質480ページほど。これでも完全版を3割削った短縮版を翻訳したものなのだそうである。 邦題は「戦争と飢餓」となっているが、原題は"...

<食糧が戦争において果たした役割。戦争が食糧に及ぼした影響。> 600ページの大部である。うち100ページ余が参考文献に割かれているため、実質480ページほど。これでも完全版を3割削った短縮版を翻訳したものなのだそうである。 邦題は「戦争と飢餓」となっているが、原題は"The Taste of War --- World War Two and the Battle for Food"。飢餓に関する記述がかなりの部分を占めるのだが、飢餓だけではなく、食糧全般と戦争の関係について、第二次大戦の史料を元に考察した本である。具体的には、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、ソ連、中国等の各国で第二次大戦前の食糧事情がどうであったか、戦時中の配給や兵站の状況、戦後から現在への流れを概観している。 食糧から見た第二次世界大戦(およびその前後)史、といってもよいだろう。 第二次世界大戦中、飢餓や栄養失調、それに伴う病気によって命を落としたのが2000万人という。これは軍人の戦死者、1950万人に匹敵する数である。 食糧と戦争を考える際、食糧確保が戦争の原因となる側面がある。輸入に頼らなければならない国は、そのライン確保が必須である。 ひとたび戦争が起こると、食糧に関する需要と供給のバランスは著しく悪くなる。1つは、戦闘状態にある場合、戦闘員はより多くのカロリーを必要とするためであり、1つは、流通が止まることにより、入ってくる食糧が減るためである。 イギリスは島国であり、食糧を輸入に頼る部分が大きかった。大西洋戦の間、食糧確保のため、さまざまな策が講じられた。それらが功を奏したということか、本国では飢餓というほどの状況には陥らなかったようだ。だが、インドなどの植民地までは保護しきれず、ベンガルなどは悲惨な状態になった。 ドイツは自国の食糧の供給先をウクライナを始めとする東方に求めた。豊かな農地の恩恵を受けるはずが、赤軍とドイツ軍の戦いの渦中で、農民は疲弊しあるいは死亡し、農地は荒れ、結局、作物が供給されることはなかった。東方戦での兵糧攻めを含めて、著者は、ドイツは「飢えを東方に輸出した」と表現している。 ソ連では、総死者は2800万~3000万人、うち軍人の戦死者は900万人と概算されるという。残りの民間人の中には、餓死したものもかなりの数に上ると見られる。その一方で、上層部は飽食し、立場による違いがひどかった。 日本もまた、食糧の多くを輸入に頼る国である。内地では、乏しい配給をやりくりしつつ代用食と呼ばれる混ぜものだらけの食事で凌いだ。戦地の兵隊にも、満足な糧食は用意されず、「食糧は敵から奪え」と命が下ることもあった。多くは精神論を拠り所に飢えの中で生活し、闘った。 一貫して、食糧事情において恵まれていたのがアメリカである。 米軍と日本軍では、兵士が必要とすると見なされるカロリーに倍以上の差があり、米軍はそれを提供することが可能だった。 本書の結び部分は戦後から現在までをざっと眺めている。栄養学の発端とか缶詰等の保存食品の開発とか食品加工産業の発展とか、そういった話題にもつながっていきそうである。 飢餓による死は悲惨だ。 本書から知ること・学ぶことは多いが、何よりも、しばし、諸々の事実の重さを噛みしめ、飢餓で命を落とした多くの人々がいたことに思いを致したい。 *ナチスのホロコーストの一因として、食糧確保のための口減らしの側面もあったと著者は主張している。そのまま鵜呑みにしてよいのかどうかわからないが、記憶に残りそうな視点である。 *各論を見ていけば、例えば、日本の飢餓に関しては、おそらく、もっと詳細な本が他に多くあるだろうし、それぞれについて掘り下げて知りたい場合は他にあたるべきところも多いだろう。その際には、巻末の参考文献も一助となりそうである。 *参考文献として、最初にインターネットサイトと書籍・論文の詳細なリスト(書籍であれば書誌事項)が著者名アルファベット順に挙げられ、次に各章の注として、該当箇所が簡易な形(著者名と書名、ページ番号)で記載されている。これはこれで見やすくてよかったのだが、邦訳書がある(または原著が日本語である)場合、各章の注の初出箇所に記載されている。これは詳細なリストにまとめて併記してもらった方が見やすかったと思う。 (参考) 『レニングラード封鎖: 飢餓と非情の都市1941-44』 『鬼哭の島』 『この世界の片隅に』(こうの史代)  *代用食に関する話がかなり詳しくあったはずである。

Posted by ブクログ

関連商品

同じジャンルのおすすめ商品

最近チェックした商品