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道徳の神経哲学 神経倫理からみた社会意識の形成 社会脳シリーズ2
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新曜社 |
発売年月日 | 2012/11/21 |
JAN | 9784788513075 |
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道徳の神経哲学
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第1章 道徳の神経哲学 Greeneらのdual procwss theory に対するMollらの批判: 皮質と辺縁系は統合的なシステムで、ジレンマの選択肢は認知と感情の両側から評価される 道徳的な意思の弱さ: 純粋に理性的なシステムによって形成された道徳的判断は感情による動機付けを欠くため、実行できない。 Haidt: 皮質・辺縁系の総合的システムと純粋に理性的なシステム 第2章 社会脳研究と自由意志の問題 リベットの実験の問題点 ① 無意識的な神経活動の開始と意識的な意思の成立の間には最大で10秒ほどの隔たりがあり、これは脳内での情報伝達にかかる時間では説明できない ② 日常的な意思的決定とはこのようなものではない。たとえば、カレーを食べるために腕を動かすとき、その行動には医師的決定に先んじて準備電位があるかもしれないが、カレーを食べようという意思決定はかなり前からなされているはず(冷蔵庫の中身を考えたりしているときから)。 ③ 準備電位を無意識的な意思の成立と考えることもできる われわれの意思決定には、様々なわれわれの意識していない要素が影響を与えている(ex. 位置効果。同じもの(ストッキング)を一列に並べて選択させると、右に置かれたものほど好まれる) 意思決定とは瞬間的になされるものではなく、時間をかけて徐々に生じるもの。 反社会性(法的に自由意思なしとみなされる場合)の研究から、「自由意志なし」と「自由意志あり」は明確に線引きできるものではなく、連続的。 第8章 刑法における嫌悪感情の役割と社会脳 リーガル・モラリズムとは: 法的な「寛容の限界」を公衆道徳の見地から、この場合は道理のわかる人の嫌悪感情によって定めようとする立場 リーガル・モラリズムに対する様々な批判 身体的嫌悪感情と道徳的嫌悪感情は分かち難く結びついている(不道徳な/道徳的な行為を思い出させたのち、ウエットティッシュと鉛筆から選択させる実験など) 対人認知研究: 人の性格特性を捉えようとする場合、温かみがあるか/冷たい印象か、能力が高いか/低いかという観点から評価する。そして、それぞれ 暖かい・能力高→ pride 冷たい・能力高→ envy 暖かい・能力低→ pity 冷たい・能力低→ disgust という印象を与えることが明らかになった。 冷たい・能力低は極端な外部集団として認識されている。この集団に対する認知では、他の集団に対する認知に比べ、内側前頭前野の活動が低く抑えられていた。だが、この集団に属する人の心的状態を推測するというタスクを課したところ、内側前頭前野の活動は高まった。このことから、通常われわれはそれらの人々をあまり人間として知覚していないことが示唆される(dehumanized perception) 。 → リーガル・モラリズムの導入にはかなり障壁あり、慎重になる必要がある。
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人間の機能として大事な部分である脳という小宇宙には銀河系の星に匹敵するほどの膨大な数のニューロンがネットワークを形成し相互に協調あるいは抑制しながら社会的認識を生み出しているがその脳内表現についてはほとんどわからない。 ここ十年位で生物の脳から社会の脳、つまり人へと対象を移した。...
人間の機能として大事な部分である脳という小宇宙には銀河系の星に匹敵するほどの膨大な数のニューロンがネットワークを形成し相互に協調あるいは抑制しながら社会的認識を生み出しているがその脳内表現についてはほとんどわからない。 ここ十年位で生物の脳から社会の脳、つまり人へと対象を移した。そしてこの中核は心の志向性にある。 機械と脳や神経との接続するBMIや能力や状態が低下しているときに健康な水準まで回復させるエンハンスメントなどを用いると哲学的・倫理的にどのような問題があり、人格・社会制度の根幹にまで及ぼす基礎的な概念があるので容易に解決できるものではない。 私たちはある状況に応じて自由意思に基づく決定権を行使する選択権を保有している。しかしこの権利は常識的な見方に依拠しているが故に誤りだとするのなら、私たちがもつ常識的な理解とは異なっているので脅威となりうる。 脳科学は理系だけではなく、人文社会科学を含め、再考しようとしている。自他の理解、息決定や報酬期待など社会脳の解明のプロセスに神経哲学、神経倫理学がクロスし新たな問題も出てきている。これは理系と文系の橋渡しであり、新たな知識(学)を意味している。 (ゆうじん)
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