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ホロコースト・スタディーズ 最新研究への手引き
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ホロコースト・スタディーズ 最新研究への手引き

ダンストーン【著】, 武井彩佳【訳】

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ホロコースト・スタディーズ 最新研究への手引き

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 白水社
発売年月日 2012/11/24
JAN 9784560082379

ホロコースト・スタディーズ

¥2,695

商品レビュー

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2015/04/25

IGファルベンで働いたユダヤ人強制労働者にとって、「労働」は死から逃れることを意味せず、むしろ別の形の死に方であった。親衛隊には、収容者がどのように死ぬかはほとんど関心がなかった。IGファルベンの協力の下でできあがった「労働による絶滅」は、国家保安本部の立案者にとっては、ガス殺と...

IGファルベンで働いたユダヤ人強制労働者にとって、「労働」は死から逃れることを意味せず、むしろ別の形の死に方であった。親衛隊には、収容者がどのように死ぬかはほとんど関心がなかった。IGファルベンの協力の下でできあがった「労働による絶滅」は、国家保安本部の立案者にとっては、ガス殺と同じく、どちらも目的にかなっていたのである。違いと言えば、犠牲者から国が多少得るものがあるという利点があったことである 。 ポールによって1943年3月に設立された「東方工業」は8か月という短期間であったが、その間16か所で工場と事業を運営し、そこではユダヤ人の労働は生きのびる可能性を意味するどころか、単に時間のかかる死と同義だった 。経済的観点からすると、強制労働者を虐待すれば、生産性が落ち、軍需生産も低下する。ユダヤ人が労働に駆り出されることがあっても、収容者の生活環境が改善されることもなく、(もしくは改善の試みも失敗したため)、結果として労働の能率も上がらなかった。収容者にとっては、収容所はただ恐怖と殺人の場所であった。ヒムラーとポールは収容所の現実には目をつむったが、それでも囚人は軍需工場の潜在的労働力であるとは考えていたのである

Posted by ブクログ

2013/02/05

広大なホロコースト研究を鳥瞰する地図的なまとめ。 注と参考文献のページがものすごく長い。 だけどこれはこの本を読んで興味を持った人が参考にするためのリストであって、この本を書く参考に使った本(のすべて)ではない。 この長いリストの背後には著者が調べた膨大な資料があって、さらにその...

広大なホロコースト研究を鳥瞰する地図的なまとめ。 注と参考文献のページがものすごく長い。 だけどこれはこの本を読んで興味を持った人が参考にするためのリストであって、この本を書く参考に使った本(のすべて)ではない。 この長いリストの背後には著者が調べた膨大な資料があって、さらにその後ろには著者が読み切れていないという果てしない研究がある。 それだけ研究してもしつくされることがないどころか、まだまだ目を向けられていない部分があるのがホロコースト。 序章の誠実さに高まった期待を最後まで裏切らない。 研究のまとめでありながら、これを読むことでホロコーストの概観がつかめるようにもなっているし、著者自身の視点もきっちり入っている。 ホロコーストを調べる入り口にも、現在地の確認にも使える良書。 ホロコースト研究は、ここ20年ほどで飛躍的に広がったという。 冷戦の終結により東欧の文書にアクセスしやすくなったことが大きい。 でもそれだけじゃなくて、心理的タブーに触れられるだけの時間が経ったのも大きな理由。 自分の罪を語るより親や恩師を断罪するほうがたやすいし、親や恩師の罪を掘り起こすより「歴史」を掘り起こす方が楽だ。 時間が経つと記憶も人も記録さえも失われてしまう。 知る世代が消えればもう話を聞けない。知らない世代が増えれば同じ過ちを繰り返しやすくなる。 それは怖いことだけど、感情が遠くなることで事実に触れやすくなるのなら経年は希望だ。 「植民地的ジェノサイド」という考えの部分で、エメ・セゼールの名前が出てきた。 ラフェリエールの本でよくきく人。俄然読みたくなった。 ヨーロッパ人はホロコーストにやたらと衝撃を受けているけど、あんなの植民地で有色人種に行われてきたのと同じだとセゼールはいう。 ホロコーストにこういう考えを当てはめたことはなかったから目から鱗が落ちたけれど、言われてみればなるほどよくわかる。 そこから連想したのは9.11とイラク戦争。アメリカにとって直接攻撃されるのは天地がひっくりかえるような衝撃だけれど、アメリカに爆撃され続けている人たちからみれば自分たちの日常の延長でしかない。 あるいは「派遣の自由化で貧困が問題化されたけどそんなの女性にとっては前からだよ」とか、「南アフリカで黒人が絶対的貧困にさらされているのは“普通”だけど、アパルトヘイト終了で王様生活ができなくなった白人の相対的貧困は“要支援”とみなされる」とか。 そういう文脈で読めるのか。 読みたい本が増えるなー。

Posted by ブクログ

2013/01/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ダン・ストーン『ホロコースト・スタディーズ』白水社、読了。ここ20年、ホロコースト史学は急速に発展したが、何から読めばいいのか。本書は「最新の研究の手引き」。筆者は加害と被害を真摯に取りあげながらも証言への敬意を忘れない。ホロコーストを総合的な視野で世界史のなかに位置づける試み。 ダン・ストーン(武井彩佳訳)『ホロコースト・スタディーズ 最新研究への手引き』白水社。出版社による内容紹介(目次含む) http://www.hakusuisha.co.jp/detail/index.php?pro_id=08237

Posted by ブクログ