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絶対服従者
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2012/11/22 |
JAN | 9784103331117 |
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絶対服従者
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商品レビュー
4.2
8件のお客様レビュー
この発想は、面白い。最初、ん?って思ったのも束の間、良く練られた社会性動物の心情と駆引きに引き込まれた。
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突然変異した蟲が労働力として人間社会に進出している『満生市』で、蟻の巣の歴史録取をしている『槙田』が一匹のクロオオアリに連れて行かれたのは、強制的に卵を産ませ労働力として出荷している巣だった。『アリ工場』の告発をしようとした槙田は、裏で糸を引く市長の一味に襲われる。彼の危機を救っ...
突然変異した蟲が労働力として人間社会に進出している『満生市』で、蟻の巣の歴史録取をしている『槙田』が一匹のクロオオアリに連れて行かれたのは、強制的に卵を産ませ労働力として出荷している巣だった。『アリ工場』の告発をしようとした槙田は、裏で糸を引く市長の一味に襲われる。彼の危機を救ったのは、人とはあまり接触を持たないはずの『キイロスズメバチ』のワーカーだった。 西洋風にデフォルメされた花魁のような美女の表紙がインパクト大。しかも読んでみれば、それは蟲だという。もっとも普段見ているものではなく、言わば擬人化のような感じで大きさは10センチほど。彼女たち(アリやハチなので)が人間社会の労働力になっているという大胆な設定が面白い。 個人として何かを残すことに人生の意義を見出すような人類と、繁殖する為のみに生まれる種すらいる昆虫とは分かり合えるはずもなく、ましてや自分よりも巣の繁栄のみに尽す蟻や蜂などは、社会の仕組みは凄いとは思えど、まったく別の生き物なのだと感じてしまう。 この話でスポットが当たるのは、個体として区別する必要性の無いような女王に絶対的に服従するワーカーだ。全ての生を時には命すらも捧げる、その無常さ(勿論人目線で)、そしてそのワーカーを犠牲にすることが出来ない主人公。危機を共有し、心を通わせていく二人(?)。表情豊かになっていくキイロスズメバチの『アカリ』が可愛い。 そして本当にスズメバチは怖い。
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変異したアリ、ハチといった膜翅目の蟲たちと、ヒトが住む都市を舞台をしたハードボイルド。僕たちは普段この世界に生活し、人への共感を制限することにもう、慣れている。そうでなければ蹴落とされるか、利用されるか、もしくは辛いニュースで気が狂う。でも、この本には蟲たちが登場する。人の世界で...
変異したアリ、ハチといった膜翅目の蟲たちと、ヒトが住む都市を舞台をしたハードボイルド。僕たちは普段この世界に生活し、人への共感を制限することにもう、慣れている。そうでなければ蹴落とされるか、利用されるか、もしくは辛いニュースで気が狂う。でも、この本には蟲たちが登場する。人の世界で鍛え上げた共感制限は無効化されて、残虐表現には痛々しさ、危ない展開にはヒリヒリする心の皮膚感覚、働きバチのさだめには泣きたくなるような切なさ、淡い恋心・・・。全てが生身の心に降りかかる。関俊介さん、すごいや。
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