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日本のセックス 双葉文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 双葉社 |
発売年月日 | 2012/11/16 |
JAN | 9784575515350 |
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日本のセックス
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商品レビュー
4
29件のお客様レビュー
氏の小説をここまで3冊読んだが、本作が一番好き。バイオレンスとインモラルに覆われた下には、日本や男性への怒りが隠されている。いや、隠されていない。堂々と書いてある。 女性からの評価が高いというのも理解できる。 ただ家族には薦めづらい。
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※このレビューにはネタバレを含みます
いやあ、すごい小説でした。驚きました。 冒頭のハードコアエロに若干興奮してしました。この勢いが続くのかと思いきや、急展開。公権力の暴走の恐怖は本作に新たな魅力を与えます。そして最後に問われる、人。結局、人、って何なのか。人と分かり合えるのか、どのように理解するのか。そんなほんのりした展開で終わりました。 タイトルに違わず、エロいところもあります。しかし、タイトルに留まらない深さも包含した佳作ではないかと感じました。 ・・・ 冒頭の40%はハードコア・エロ描写。 主人公容子は、才色兼備も人とは距離を置くタイプ。夫の佐藤(なぜか苗字呼ばわり)は妻を他人に抱かせることで興奮するタチ。 冒頭にどこぞの作家の引用があり、『自分のものであるからこそ他人に与えることが出来る』云々の記載がありました。澁澤龍彦氏の翻訳とあるので方向性は推して図るべし。 ということで、このパートは、すごい。乱交だったり、スワッピングだったり、本の世界です。本といってもエロ本だけど。 そして、容子が佐藤に連れられて行ったスワッピングパーティーで事件は起こります。そこで容子は心身共に傷を負います。 ・・・ そんな失意の中、ほとぼりの醒めてきた佐藤のハードコア欲がむくむくともたげる中、なんと容子と佐藤はひき逃げ事故を起こします。 ここから二人の人生は、坂道を転がるかのように状況が悪化します。佐藤の逮捕、佐藤の解雇や容子の退職、加えてマスコミに面白おかしく取り上げられアブノーマル嗜好の暴露され、挙句過失致死ではなく殺人として起訴されることに。 公権力たる警察もマスコミとタッグを組んで佐藤と容子を貶めにかかります。同時に、佐藤についても、容子の知らない犯罪などがホイホイと知らされ、容子の心理的ショックも読んでいて伝わってきます。 最終的に、佐藤は当初見込まれていた以上の量刑をくらい、失意のうちに拘置所で自殺をしてしまいます。 こうした急展開が実に秀逸でありました。容子の心理描写、刻々と悪化する周囲の状況。当初の享楽さ加減から、ズドンと落とされたその落差と謂ったらありません。 容子は、警察の悪意に辟易とし、応援しているはずの夫すら、実はなにも知らなかった、と。そして今は亡き父、あれほど嫌っていた父を、実に今よく理解できてしまう自分。そうした自分に自己嫌悪を覚える。 容子さんどうなってしまうのかと、ハラハラしながら読みました。 ・・・ そして終盤、容子は振り返ります。 自分が夫に隠していた秘密を、夫たる佐藤は分かっていた。佐藤はそのうえで、当初容子が気づかない形でへらへらとメッセージを伝えていた。ストレートではない、死んで気づく夫のやさしさ。 このあたりのストレートでない表現、伝わりづらいんだよって個人的には思うし実際にされると私はいやですが、物語としてはありです。結局人ってどこまで分かり合えるのか(本当に分かり合えるのか?)みたいなことを読者にもほんのり投げかけます。 ・・・ ということで、樋口氏の作品でした初めてよみました。すごかったです。 この作品を女性がどう読むのか見当がつきません。容子が夫の『もの』のようにコントロールされている様に過剰に反応する方も出てくるように思います。 しかし、展開の急転直下ぶりやその後の公権力の怖さなど、エンターテイメントとしても十分その展開を楽しめました。要はただのエロ小説としてくくれない広さと深さ。 90年代の音楽シーンや諸々の引用はそこまで響きませんでしたが、かつて読んだ『ブルータス』ではこうした時代の切り取り方を高く評価していました。 あ、でも、佐藤が単館映画館(渋谷のシネクイントかどこか)でモギリをやっていたのはちょっと響きました。嫁をしょっちゅうユーロスペースに連れて行き、イラン映画だロシア映画だと見に行った挙句、二人して爆睡ってのをよくやっていました。四半世紀以上前の話です。 ということで、過激な性描写含め、心の広い方にはお勧めできる作品です。
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花田菜々子さんいわく 「すごい人が現れたな」と思った。初めて読んだとき、まったく新しい言葉と世界観の持ち主だと感じて心がざわめいた。内容は、スワッピングの世界へ足を踏み入れる夫婦の話で、最初はただのエロ小説のようなのだが、途中からバイオレンス小説になり、裁判小説になり、純愛小説として終わる、というその荒唐無稽さが面白く、まさにジェットコースターのような作品。
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