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世界短編傑作集(4) 創元推理文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
発売年月日 | 1961/03/31 |
JAN | 9784488100049 |
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世界短編傑作集(4)
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商品レビュー
3.8
5件のお客様レビュー
ただ、ヒュー・ウォルポールの「銀の仮面」が読みたくて借りてきたもの。 「銀の仮面」は有名な短編かもしれない。小金持ちの孤独な中年女が、貧しいが美しい青年に気を許したばかりについには…「これでも眺めて暮しなさい」と壁に銀の仮面をかけて去って行く青年。すごくゾッとする。 他にも自分の...
ただ、ヒュー・ウォルポールの「銀の仮面」が読みたくて借りてきたもの。 「銀の仮面」は有名な短編かもしれない。小金持ちの孤独な中年女が、貧しいが美しい青年に気を許したばかりについには…「これでも眺めて暮しなさい」と壁に銀の仮面をかけて去って行く青年。すごくゾッとする。 他にも自分の家政婦が毒殺魔では?と恐怖する主人公におとずれるラストに驚く(予想がつく人もいるかもですが)ドロシー・L・セイヤーズ「疑惑」。 無差別連続絞殺魔の正体…作品が発表された頃は斬新だったのでは?トマス・バーク「オッターモール氏の手」。 この2作が他では面白かった。
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短編ミステリーアンソロジーの第四巻。本巻には1930年代前半までの話が収録されている。 「殺人者」 アーネスト・ヘミングウェイ アメリカの大作家ヘミングウェイの作品。現在の「殺し屋」のイメージを作り上げた作品でもあるらしい。町の食堂にやってきた殺し屋と、そこに居合わせてしまった人々のやり取りが書かれる。古典的なハードボイルドらしい淡々とした文体が、現場での緊張感を引き立てていて非常にクール。 「三死人」 イーデン・フィルポッツ 探偵社に所属するイギリスの植民地バルバロイ島で三人の男が死んだ事件を調査しにいくが失敗し、後に上司が真相を言い当てる話。証拠が一切無い中、当事者の性格のみを組み合わせる事で違和感なく推理を構築する手腕が見事。ヘンリイ卿の行動はなんとなく夏目漱石の『こころ』を思い出した。 「スペードという男」 ダシール・ハメット ハードボイルドミステリーの古典であるダシール・ハメットの作品で、サム・スペードが出てくる数少ない短編の一つ。命を狙われていると電話があった依頼者のアパートに行ったら既に殺されていた話。題名の通りスペードの人柄に焦点が当てられた作品で、どんな状況でも冷静に、頑強に事件に立ち向かう男の姿が描かれている。 「は茶め茶会の冒険」 エラリー・クイーン クイーンの短編の一つで、『不思議の国のアリス』のキャラに扮したパーティの中で帽子屋の主人が消える話。読者(アメリカ人)がアリスシリーズに親しんでいるのを前提に書かれているらしく、後半の種明かしはアリスの内容をほぼ忘れていた自分にはピンとこないものであった。実は事件そのものにアリスは関係ないけど。ちなみに以前の日本語訳名は「キ印だらけのお茶の会の冒険」。これは修正待ったなしだ。 「信・望・愛」 アーヴェン・S・コップ 護送中の列車から脱走した三人の囚人が、夫々が最も嫌がっていた処刑方法とよく似た方法による天の裁きを受ける話。因果応報ここに極まれり。題名が格好いいのだが本編との関連がいまいち分からない。ついでに「三死人」とタイトルを入れ替えても違和感が全くない。 「オッターモール氏の手」 トマス・バーク 1930年代ロンドンで起きた連続絞殺事件の話。恐怖を煽るようなナレーションの語り口が非常にうまく、全体的に不気味な雰囲気に包まれている。「体も自ら考えを持って勝手に動くことがある」というオッターモール氏の説は非常に斬新ではあるが… 「いかさま賭博」 レスリー・チャーテリス 「聖者」の別名を持つ義賊、サイモン・テンプラアが細工されたトランプを使ったイカサマ賭博の一味を撃破する話。前巻の「堕天使の冒険」と少し似ている。イカサマを使ってイカサマを破るという案件そのものが罠だったのに、それも早い段階で見抜いて利用するとは、聖者の名は伊達ではない。 「疑惑」 ドロシー・L・セイヤーズ 愛妻家の男が、新しく雇った家政婦が逃走中の毒殺犯ではないかと疑う話。一旦疑惑を持つと些細な事でも怪しく見えてしまうのも怖いが、その疑惑以外の可能性について盲目になってしまうのも恐ろしい。 「銀の仮面」 ヒュー・ウォルポール 金持ちの老婦人が、ミステリアスな若い男を家に招き入れたことが原因で破滅する話。要約すると嫌な話。この話の教訓は、怪しい相手に余計な親切心を発揮するとロクなことにならないという事なのか。 四巻の作品は、全体的にダークな雰囲気のものが多かった。気に入っているのは「疑惑」、「オッターモール氏の手」、「銀の仮面」。
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第四巻はサスペンスの佳作が集まったが中でもひときわ不気味なのが「オッターモール氏の手」予備知識なしで読んで作者の企みに心地よく騙されよう。
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