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解離する生命

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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | みすず書房 |
発売年月日 | 2012/10/19 |
JAN | 9784622077183 |
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解離する生命
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医学書というより、精神病理哲学書といった趣の一冊。わざわざ難しく書いているのではないかと思われるものの、摂食障害や自傷、境界例といった病理に対して新たな視点を投げかけているように思う。例えば嗜癖という点では同じでもあっても、全く異なる心裡構造がありうるのは、精神(医学)の難しさの...
医学書というより、精神病理哲学書といった趣の一冊。わざわざ難しく書いているのではないかと思われるものの、摂食障害や自傷、境界例といった病理に対して新たな視点を投げかけているように思う。例えば嗜癖という点では同じでもあっても、全く異なる心裡構造がありうるのは、精神(医学)の難しさの表れでもあるだろう。移植医療の章だけがほかから浮いてしまっているのがもったいない。
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野間 俊一 (著) 〈解離という病理現象を考察していくうちに、解離と同じメカニズムの存在を仮定することで、 現代に見られる多くの青年期の精神疾患が理解しやすくなるように思われた。 広汎性発達障害や新型うつ病がそうである。現代の精神病理が解離と深い関係があり、 解離が外傷に対する自...
野間 俊一 (著) 〈解離という病理現象を考察していくうちに、解離と同じメカニズムの存在を仮定することで、 現代に見られる多くの青年期の精神疾患が理解しやすくなるように思われた。 広汎性発達障害や新型うつ病がそうである。現代の精神病理が解離と深い関係があり、 解離が外傷に対する自己防衛機能をもつことを考えれば、現代の若者に共通するテーマは「傷つきやすさ」ということになるのではないだろうか。 傷つかないように自分のルールにしがみつくのが発達障害であり、傷つく恐れのある環境においてのみ抑うつ気分が生じるのが新型うつ病であり、 傷つき体験を現在の体験と切り離すのが解離性障害である。 家族や共同体の弱力化、世界的な経済不安、情報化社会における価値観の多重化と浮動性などなどが、現代の若者の傷つきやすさの背景にあるのだろう。 現代という時代は、今しばらく、解離から解放されることはなさそうである〉 境界例、摂食障害、解離性障害… 臨床の場で、周囲への不満を口ごもりながら、 目下の気分を明るくする薬のみを要求する若者を中心とした患者と日々接しながら、 著者は人間に不可欠な「生命性」や「ハイマート」概念を鍵語に、現況を読もうとする。 境界例では生命性を暴発させ、摂食障害では生命性の支配を望み、解離性障害では生命性を切り離すのではないか。 ではそこから、何が見えてくるか。そして精神科医は、どう対応すべきだろうか。 メルロ=ポンティはじめ哲学の成果を援用しながら、自傷行為や臓器移植精神医学を含め、 具体例と根源的考察を往還して成った、観察と省察の書である。
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