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英語の仕組みと文法のからくり 語彙・構文アプローチ 開拓社言語・文化選書34
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 開拓社 |
発売年月日 | 2012/10/13 |
JAN | 9784758925341 |
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英語の仕組みと文法のからくり
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商品レビュー
4
2件のお客様レビュー
タイトルと前書きを見て難しそうだとしばらく積読していたが、思い切って読んでみたら読みやすく面白かった。前書きにある「英語学をやって知らないことを知ってワクワクする」という気分になれた。 入門書ということを意識してやさしめに書かれている。言語学が専門の大学生なら読めそう。認知意味論...
タイトルと前書きを見て難しそうだとしばらく積読していたが、思い切って読んでみたら読みやすく面白かった。前書きにある「英語学をやって知らないことを知ってワクワクする」という気分になれた。 入門書ということを意識してやさしめに書かれている。言語学が専門の大学生なら読めそう。認知意味論の授業を思い出した。 doorに3種類意味があるとは気が付かなかった。ネイティブの友達に聞いたらやはり気が付かなかったと言っていた。 内容とは関係ないが、開拓社の本はフォントやレイアウトがすっきり読みやすくて好き。紙もそこそこ厚いので裏写りもない。
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単語の並び方を分析すれば、その並び方から基本的な意味が導き出されるとするGoldbergの「構文アプローチ」から、ただ構文を見るだけでは分析できない二重目的語構文、所格交替、エコー疑問文について紹介している。 構文だけでなく「結局は動詞の意味を詳しく調べる必要がある」(p.9...
単語の並び方を分析すれば、その並び方から基本的な意味が導き出されるとするGoldbergの「構文アプローチ」から、ただ構文を見るだけでは分析できない二重目的語構文、所格交替、エコー疑問文について紹介している。 構文だけでなく「結局は動詞の意味を詳しく調べる必要がある」(p.95)ことや、メタ的なことに言及する場合は、従来の約束が当てはまらない、ということなども併せて考えないといけない、ということが述べられている。タイトルは『英語の仕組みと文法のからくり』だが、このタイトルほどに網羅的ではなく、ある特定の構文に限っての分析がすべてなので、あくまで英語学を専門にする人が読む本だと思う。 とは言っても、二重目的語の話は面白かった。二重目的語が基本語に限られるものだと思っていたが、refuseやdeny,またforbidといった語もこの構文を許すということ、そしてそもそもAクラスからFクラスまで6つのクラスに分けることや、Fクラスのbake, make, buildなどでは、そもそも受領したことを含意するのではなく、受領させる意図があればよい、ということなど、知らなかった。そして、そのうち「否定動詞が生じる二重目的語表現」で片付けられていたものが、さらに分析が加えられていて、やはりその裏には「持つ」の概念があるということが分かり、面白かった。ちなみに、これは語源から考えるアプローチ、通時的な視点を持ち込むことはできないのか、と少し思った。 所格交替のところでは、He sprayed the wall with paint.のthe wallは「状態変化を受けて」(p.117)いる、という説に対し、「状態変化って何のことだろう?」(同)というところから新たな説を著者が生み出しているが、おれは別にこの説明でいいと思ったんだけど、どうなんだろうか。つまり壁が塗られる前から塗られた後への状態の変化、ということでいいのではないのだろうか。そして「覆う」、「一杯にする」という新しい意味を提唱しているが、日本語で考えればそうなる、というだけであって、例えば英語で考えればこういう分け方は必要ないのかもしれないし、もしかすると言語によっては「覆う」と「一杯にする」が同じ語で表される言語があるかもしれない、とか思うと、この意味の設定は恣意的なものである感じもする。でも「指を糸で巻く」が「指を糸でぐるぐる巻きにする」なら容認度が上がる、という分析もあるし、少なくとも日本語ではこの「覆う」の捉え方は有効かもしれない、とか、「全体性の解釈」(p.122)でいいのではないか、とか従来の概念で説明できないものだろうか、と思った。 あとエコー疑問文は、なんでもかんでも字義どおりに分析するべきではない、ということを教えてくれる分析だが、そもそも意味を大事にしましょう、どんな意味が出てくるのかを分析しましょう、ということが目的なのに、そもそものエコー疑問文を使う時についての語用論的な意味を無視した結果の分析を進めているという点、つまりエコー疑問文はメタ的なもので、他の文と同じ土俵に乗せて分析するという点が変なのでは、という気がする。「時や条件を表す副詞節」でもwillが使われる場合、ということでp.161にその文が挙げられているが、統語論的な話というよりは極めて語用論的な話で、なんかなーという感じがした。 それでも著者が論を進めていく道筋自体は追えるし、いろんなところで著者が言語の分析を面白がる様子が見えて、あらためて言語研究の面白さを教えてくれる。(16/12/26)
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